研究課題/領域番号 |
12875089
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小葉竹 重機 群馬大学, 工学部, 教授 (00027260)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 渓流水窒素濃度 / 窒素飽和 / 乾性・湿性沈着 / 里山 / 放置森林 / 水循環 / 水質 |
研究概要 |
本研究は「里山」を農山村周辺の「手入れの行き届いた森林」と定義し、手入れが行き届かず放置されたままの森林と対比することによって、「里山」が河川環境に及ぼす効果を明らかにしようとしたものである。結果としては里山と放置森林の間で認識できるような差は生じなかったが、一方では水質に関して非常に興味ある観測結果が得られた。それは群馬県の場所によって自然渓流の窒素濃度に大きな差が見られるということである。すなわち、群馬県の東北部に位置する渡良瀬川流域では、日本の高度のあまり高くない渓流の平均値よりは若千高めの窒素濃度(T-Nで地1ppm前後)であるのに対して、西南部に位置する烏川流域では常に3ppm程度の極めて高い濃度を示した。これは群馬高専の青井教授が指摘しているように首都圏で生産されたNOxが風に運ばれて、森林の樹葉等に乾性あるいは湿性沈着した結果であると考えられる。つまり、首都圏からの風の通り道にあたるか否かによって渓流の窒素濃度に差が生じたものと考えられる。一方、ヨーロッパとくにドイツで20年前から環境問題として取り上げられている窒素飽和は、大気汚染により森林の土壌が窒素の自然循環を超えた状態で下層まで飽和状態であることを指すが、まだ、日本では正式な窒素飽和現象は報告されていない。しかし、渓流水の濃度の高い群馬県西南部では、最初の2年間は土壌水の窒素濃度の鉛直分布は深度方向に減少し、窒素飽和の現象を示さなかったものの、最後の1年では2地点で深度方向に一定のままの分布が観測され、窒素飽和の現象に近づきつつあることが示された。これを直ちに窒素飽和とするには時期尚早であるかも知れないが、今後注目すべき新しい兆候であると考える。
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