研究課題/領域番号 |
12875127
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
こうじ谷 信三 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027900)
|
研究分担者 |
浦山 健治 京都大学, 化学研究所, 助手 (20263147)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ポリマーネットワーク / ゲル / ゴム弾性 / 二軸伸長 / 力学補強 / 複合材料 / エラストマー / ゴム架橋体 / シリカ / 歪エネルギー |
研究概要 |
エラストマーの力学的特性を評価する上でひずみエネルギー密度関数を明らかにすることは重要であるが、実験的な困難さがあって研究例は少ない。数年前から研究を行ってきた、ゾルーゲル反応によりゴムマトリックス中でその場(in situ)生成させたシリカが、エラストマーの補強性に優れていることが明らかになった。そこで、そのメカニズムを明らかにする目的で二軸伸長挙動の研究を行った。 従来の混練り法および、in-situ法でシリカ充填した天然ゴムの一軸拘束二軸伸長試験を行った。混練り法で充填した試料では、伸長軸方向と拘束軸方向の両応力は、初期伸長領域において、ひずみの増加とともに急激に増加した。両軸方向の応力は、それに続くひずみの領域でひずみに依存しなくなり、その後、大変形領域で急激に増加した。一方、加硫前のゴムマトリックス中にシリカをin-situで生成させた試料では、そのような挙動は見られなかった。透過型顕微鏡観察の結果、従来のシリカ充填法で作製した試料ではシリカ粒子が高度に成長した擬似網目状構造を形成しているが、in-situ法で作製した試料では単なる凝集が起こっているだけであることがわかった。小変形領域における両試料の応力-ひずみ挙動の差は、主としてゴムマトリックス中に分散したシリカの凝集構造に起因すると考えられる。また、両試料の中変形および大変形領域におけるひずみエネルギー密度関数(W)の関数形が、ひずみテンソルの普遍量I_1およびI_2を関数として、W=C_<10>(I_1-3)+C_<01>(I_2-3)+C_<20>(I_1-3)^2で表されることを見出した。さらに得られたWを用いて、中、大変形領域の実験値を精度良く計算できることを確かめた。見積もったWにおける3項の寄与の程度は、シリカ含有量を変化させたときに、両試料で異なった挙動を示した。
|