研究課題/領域番号 |
12876006
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 英輔 九州大学, 農学研究院, 教授 (90038232)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 農・園芸活動 / 農芸教育 / 小中学校 / 児童生徒 / 社会教育 / 育てる / 小・中学校 / 教育 |
研究概要 |
平成14年度も主として、園芸活動を取り入れた小中学校や社会教育の場としての農業小学校を訪ねてその実情を視察するとともに、これを支援する人々の体験談を聞いた。その概要は次のとおり。 花の栽培に初めはあまり関心をもたない児童・生徒も、先生の指導のもとに実践をすすめ、花が大きくなるにつれて関心が高まり、徐々に積極的に参画するようになる。また、野菜類の栽培では、自分たちが手入れをしているという意識が顕著に感じられ、収穫への期待も大きい。このような共同体験は児童生徒と教師・指導者との対話の機会を増やし、地域社会や産業へと視野を広げるきっかけになっている。たとえば、収穫直前のスイカを盗まれたり、鳥やネズミに食べられた児童生徒には、身をもって社会の恥部に目を注ぎ、自然のきびしさを学ぶ貴重な体験となっている。また、予想したほど美味しくなかった収穫物を通して、美味しい農産物を生産する農家の技術の確かさを実感している。 地域社会との関係では、父兄や地域社会の目が学校に注がれ、学童の園芸指導を楽しみしている高齢者が出てきたり、老人クラブが先生役を買ってでる例などのほか、学校と地域との連携行事が円滑になる、学校にそっぽを向いていた父兄が頻繁に学校に出入りするようになるなど、さまざまな効果が認められている。 気になることは、園芸活動の支援に参画している人々が、植物を育てることそのものの重要性よりも、対人関係、対地域社会関係などの目立ちやすい変化に目を奪われている傾向が感じられる点である。なぜそういう変化が起こるようになってきたのかをもっと考えたうえでの実践を期待したい。
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