研究課題/領域番号 |
12876017
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 智久 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (80240901)
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研究分担者 |
白井 剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00262890)
村本 光二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90157800)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ガレクチン / レクチン / 糖鎖制限酵素 / タンパク質工学 / ランダム変異 / 進化工学 / 糖鎖構造認識 |
研究概要 |
魚類マアナゴの体表粘液由来ガレクチンであるコンジェリンIおよびIIはホモ2量体を形成するが、それぞれ異なる2量体様式を持ち、糖結合特異性や熱安定性などもそれぞれ異なる。糖鎖認識特異性が高いという特徴をもつコンジェリンに糖鎖を切断する触媒活性を持たせることができれば、糖鎖の機能や構造を分析するための道具として有用である。そこで本研究では、(1)コンジェリンの糖鎖認識結合部位付近のアミノ酸残基へ触媒部位を導入し、糖加水分解活性を持つガレクチンを作出すること、(2)進化工学的手法により、触媒能が向上したガレクチンを作出し、構造と機能の相関を明らかにすることを目的とする。 糖加水分解酵素の触媒反応の多くは、GluもしくはAsp残基が関与する酸塩基反応である。そこで、コンジェリンのリガンドであるラクトースのグリコシド結合近であるArg-48、Tyr-51、Asp-67にGluもしくはAsp残基を導入し、計11種の変異体をデザインした。また、高Mg^<2+>濃度下でコンジェリンのcDNAを鋳型としたPCRを行い、ランダム変異の導入を試みた。変異体を大腸菌で発現させ、P-nitrophenyl糖誘導体を用いて変異体の糖加水分解活性を調べた。 いずれの変異体も強い糖加水分解活性は見られなかったが、pNP-bGalに対してConI-R48D,Y51EとConI-R48E,Y51Eが、pNP-Glcに対してConI-R48Dがそれぞれ弱い活性を示した。しかしながらArg-48位変異体はその多くが菌体内で不溶化していたため、活性が弱いものと考えられた。さらに進化工学的手法により、強いガラクトシダーゼ活性をもつ変異体をスクリーニングし得たが、いずれも終止コドンがアミノ酸コドンへ変異し、ベクター由来のガラクトシダーゼとの融合蛋白質として生成したものであった。いまだ十分な活性のものを得られていないが、附随的に熱安定性についてかなり向上した変異体が複数得られた。この変異はドメインスワッピング部分と異なる部位(ConI-Phe-22、ConII-Tyr-16、ConII-Thr-88)であり、あらたな構造安定化の要素があきらかとなった。 また、コンジェリンIIのX線構造解析により精密な立体構造を明らかにし、別な糖鎖結合部位の存在を明らかにした。
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