研究課題/領域番号 |
12877027
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
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研究分担者 |
木村 透 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50280962)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | protein transduction / TAT融合タンパク / 始原生殖細胞 / Cre / germ cell-less(gcl) |
研究概要 |
HIVのTATタンパクのアミノ末端11残基を任意のタンパクのアミノ末端に融合し、そのタンパクを細胞内に導入するという、protein transduction法が開発された。この方法を用いて、遺伝子欠損を実験的に治療する基礎的研究を、マウスの始原生殖細胞(PGC:primordial germ cells)の初代培養系を用いて行った。下に述べる結果のように、残念ながら、当初期待したような成果を得ることはできなかった。 我々は、マウスPGCに遺伝子を一過的に導入するために、様々な遺伝子導入法を用いて条件検討を行っが、導入効率がよく、かつ細胞障害性の少ない方法を見出すことができなかった。そこで、protein transduction法がPGCにおいて有効かどうかを、レポーターとしてTAT-β-galactosidaseを用いることにより検討した。その結果、ほぼ100%のPGCがβ-galactosidaseの酵素活性を示し、細胞毒性もほとんど認めらなかったことから、マウスPGCにおいてもprotein transduction法の有用性が示された。 次に、組換えタンパクCreとショウジョウバエにおいてPGCの形成に必須であるgerm cell-less(gcl)のマウス・ホモログについてTAT融合タンパクを作製しタンパク導入を試みた。しかし、TAT-Cre、TAT-gclともに大腸菌において発現させると細胞毒性を示した。培養条件、タンパク誘導の条件を検討したが改善せず、in vitroにおける大量タンパク発現系も行ったが、必要量のタンパクを得ることができなかった。TAT-Creについては、トランスフェクトしたレポーター・プラスミドにおいて組換えを誘導することから機能的なTAT融合タンパクができていることが示されたが、精製できる量が少ないので内在性の遺伝子における組換えは認められなかった。
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