研究課題/領域番号 |
12877035
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40225446)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | FKH6 / 腸管付随リンパ組織 / パイエル板 / リンホトキシン / ノックアウトマウス / Fkh6 / 胃 / 間充織 / マウス |
研究概要 |
FKH6欠損マウスにおけるパイエル板低形成の細胞レベルでの機序を明らかにした。FKH6遺伝子は、腸管の間充織においてのみ発現している。FKH6欠損マウス胎児では、まづ、IL7Raを発現するパイエル板のオーガナイザーとして機能する細胞の腸管間充織へのホーミングまたはそこでの凝集が障害されていることが示された。その結果、腸管間充織由来のVCAMを発現する細胞の凝集が有意に遅延することが示された。おもしろいことに、胎生17、5日までにVCAM陽性細胞の凝集がおこったパイエル板原基では、それにひき続いておこるCD11陽性細胞のホーミングもおこりパイエル板へと発達していくが、遅れてVCAM陽性細胞の凝集がおこったパイエル板原基ではパイエル板は形成されないことが示された。これらの結果は、FKH6は、腸管間充織細胞の正常な機能発現に寄与していることを示している。転写制御因子であるFKH6がどのような遺伝子の発現に寄与しうるかを、今までにパイエル板形成に寄与することが示されてきた遺伝子に焦点をあてて解析した。その結果、多くのTNFファミリーにそれらのレセプター、また、ケモカインの発現に顕著な変化は観察されなかったが、唯一LTbレセプターの発現だけが顕著に低下していた。LTbレセプターは、腸管間充織において発現していることからFKH6タンパクの標的遺伝子座のひとつである可能性が示された。 また、FKH6欠損マウスでは加齢にしたがい、下部消化管にパイエル板様のリンパろ胞の過形成が観察された。骨髄キメラを用いた解析は、この過形成も腸管間充織の異常に基づくことを示した。すなわち、FKH6は本来下部消化管に存在するColorectal patchの腸管間充織を正常なサイズにするためにも重要な役割を果たすことを示した。 今後、FKH6欠損マウス胎児腸管における遺伝子発現の変化を系統的に解析するための基盤として、マウス胎児腸管の全長cDNAライブラリを、作製し、15Kの独立したクラスターを同定した。
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