研究課題/領域番号 |
12877036
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
岡田 誠治 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50282455)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20208523)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アレルギー炎症 / 好酸球 / BCL6 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / IL-5 / 遺伝子治療 / ウイルスベクター / Bcl6 / Th2細胞 / Th1細胞 / 好酸球性アレルギー炎症 / Bcl6-欠損(KO)マウス / 転写抑制因子 |
研究概要 |
アレルギー性炎症の慢性化には好酸球の関与が大きいことや、この好酸球の活性化にはIL-5が大きな役割をしていることがすでに明らかにされている。しかし、IL-5の産生制御を含めた好酸球の機能抑制機序はいまだ明らかでない。私達は、胚中心におけるメモリーB細胞分化に必須な転写抑制因子であるBCL6の機能解析から、BCL6欠損(KO)マウスが著しい好酸球性炎症を起こすことや、その標的遺伝子の一つがIL-5遺伝子であることを見いだしている。そこで本研究では、BCL6を用いた生体レベルでの好酸球性炎症抑制システムの開発を試みた。その結果、BCL6-KOマウス由来のT細胞を抗CD3抗体で刺激するとIL-5の異常産生増強が見られることから、このIL-5の産生異常がBCL6-KOマウスに見られる好酸球性炎症の主な原因であることが示唆された。そこでつぎに、T細胞でのみBCL6を強発現するトランスジェニック(lck-BCL6)マウスを作製し、そのマウス由来の脾臓T細胞を抗CD3抗体で刺激すると、IL-5の産生が著しく抑制されることを明らかにした。さらに、このlck-BCL6マウスとBCL6-KOマウスを交配して、T細胞でのみBCL6の発現が見られるBCL6-KOマウス(レスキューマウス)を作製したところ、BCL6-KOマウスに見られた好酸球性炎症が全く見られなくなった。上記の結果から、BCL6-KOマウスに見られる好酸球性炎症の主な原因が、IL-5の過剰産生を含むT細胞の機能異常によることを明らかにした。さらに、遺伝子治療モデルを作製するために、ウイルスベクターにBCL6を組み込んだ発現ベクターを作製し、In vitro系でこのウイルスのT細胞への感染を確認している。これらの研究成果から、これまでのアレルギー研究では創造できないような抗慢性アレルギー疾患の遺伝子治療法の開発が期待される。
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