研究課題/領域番号 |
12877041
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
新井 正美 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (20232027)
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研究分担者 |
柳澤 昭夫 財団法人癌研究会, 癌研究所・病理部, 主任研究員 (30137963)
加藤 洋 財団法人癌研究会, 癌研究所・病理部, 部長 (20010473)
武藤 徹一郎 財団法人癌研究会, 癌研究所, 部長 (20110695)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | HNPCC / 胃癌 |
研究概要 |
1.過去20年間の大腸癌と胃癌を併発した患者103症例の重複癌について、ミスマッチ修復(以下MMR)蛋白の発現異常とマイクロサテライト不安定性(以下MSI)を検討した。その結果、12例(11.7%)において胃癌と大腸癌の両者で共通のMMR蛋白の発現消失を認めた(A群)。また、同様に12例の症例では胃癌あるいは大腸癌のいずれか一方にMMR蛋白の発現消失がみられ、いずれもhMLH1の異常であった(B群)。A群の癌の平均初発年齢はB群に比べて約20歳低いこと、大腸癌の家族歴陽性率がA群はきわめて高率であることなどから、A群とB群では、重複癌の発症機序が異なることが予想された。また、Amsterdam II臨床基準を満たしていないがMSH2の生殖細胞変異を認める症例がA群に含まれていた。以上より、A群には高率に遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)症例が含まれていることが予想され、胃癌を合併している大腸癌患者では、一般の大腸癌症例の集団よりもHNPCCの頻度は高いと考えられた。この点からも、わが国においては、HNPCCと胃癌には関連があることが示された。 2.MSI陽性腫瘍に対する放射線治療の効果について、我々は、大腸癌細胞株を用いてMSI陽性腫瘍は陰性腫瘍に比べて、照射後の生存率から放射線感受性が高い傾向にあることを明らかにした(Arai M. et al., In preparation)。さらに動物実験により、HNPCC患者における放射線療法の影響を調べる。さらに、MLH1ノックアウトマウスを用いて、放射線照射の影響をコントロール群と比較する。現在、照射は終了して、経過を観察している段階である。研究結果を出すには至らなかったが、今後実験を継続して結果を提示する。
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