研究課題/領域番号 |
12877043
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
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研究分担者 |
藤巻 康教 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (10209083)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
江崎 孝行 岐阜大学, 医学部, 教授 (90151977)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
宇仁 茂彦 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10047342)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | フィラリア症 / 治療 / 細胞内寄生細菌 / ウォルバキア(Wolbachia) / ジエチルカルバマジン / テトラサイクリン / ELISA / Wolbachia |
研究概要 |
1.Brugia pahangi雌成虫に対するテトラサイクリン、ジエチルカルバマジンの治療効果 テトラサイクリン(TC)は、成虫の運動を強く抑制すると同時に、子宮からのミクロフィラリアの産出を抑制する(子宮内にミクロフィラリアが蓄積する)。これに対してジエチルカルバマジン(DEC)は運動抑制効果が全く無く、子宮内のembryogenesisを抑制する。TC治療を受けた雌成虫では、フィラリアに寄生しているリケッチア様細菌WolbachiaのDNA量が著明に減少しており、TCの成虫に対する作用はWolbachiaの死(減少)と関連するものと考えられた。TCとDECを同時に使用すると相乗効果が認められ、TCおよびその誘導体がフィラリア治療に応用できる可能性が示された。TCの作用は、体部および膣・子宮の筋運動抑制で説明できる部分が多いことから、Wolbachiaと筋運動の関係が興味深く、今後の研究課題である。 2.フィラリアの種類とWolbachia spp. 原則的に1種類のフィラリアには1種類のWolbachiaが寄生していると言われている。新種のフィラリアには、新しいWolbachia sp.が期待される。我々は、今年度、野生の反芻動物より2種類の新種フィラリア(Cercopithifilaria longa, C. crassa)を記載した。これらのフィラリアについてWolbachia-specificなプライマーを用いたPCRを実施する予定である。また、Wolbachia sp.を独立したspeciesとして記載すべく、その可能性を検討している。 3.新しいフィラリア症の診断 従来、フィラリア症の診断には例外なく血液採取を必要とした。これは、流行地の住民にとって大きな負担であり、このため調査地域の住民の協力を得ることが困難であった。我々は、尿を検体とする免疫診断法(尿ELISA)を開発し,その有用性を検討してきたが、尿ELISAは感度・特異性共に優れ、予想以上の好結果を得ている。
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