研究課題/領域番号 |
12877050
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西連寺 剛 鳥取大学, 医学部, 教授 (10117351)
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研究分担者 |
星川 淑子 鳥取大学, 医学部, 助手 (10181489)
佐藤 幸夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (70144657)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | EBウイルス / EBウイルス抗体 / EBウイルス関連疾患 / 伝染性単核球症 / 免疫応答 / EBウイルス抗体陰性キャリア |
研究概要 |
我々の目的は、EBウイルス(EBV)関連疾患の診断、予防、治療の基礎研究を目指すことである。EBVは、日本人では2〜3歳までに80%以上が感染する普遍的ウイルスである。幼児期でのEBV初感染はほとんどが不顕性感染であるが、成人期では、約半数が伝染性単核症(infectious mononucleosis;IM)を発症する。我々はEBV関連疾患の基礎データーとして、健常人におけるEBV感染の再評価を開始した。健常成人のほとんどはEBV抗体を保有する既感染であるが、EBV抗体陰性者、すなわち未感染とみなされる健常成人も5-10%の割合で存在する。EBV抗体陰性者はEBV初感染によりIMを発症する可能性が50%と高いことやEBV抗体陽性者からの骨髄・臓器の移植によりEBVリンパ腫の発生が問題となっている。 最近、我々はEBV抗体陰性健常成人の唾液及び末梢リンパ球に多量のEBV DNAが検出されるという意外な事実を見出し、健常人におけるEBV感染に対する免疫寛容の仮説を提唱した(Ikuta et al.,Microbes and Infection 2:115,2000)。 我が国に於てIMは小児に於ても見られる。今回、小児(1〜2歳)におけるIM様疾患8症例についてEBV感染を検討した。患児はいずれも、EBV抗体は陰性であった。しかし、これらの患児の5例の末梢血リンパ輝中にEBV抗体陰性健康成人キャリアと同様に多量のEBV DNAがpolymerase chain reaction法により検出された。小児に於てEBV抗体陰性で、しかもEBV感染を伴うIM様疾患の存在が初めて明らかにされた(Ikuta et al.,in preparation)。
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