研究課題/領域番号 |
12877052
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | プリオン蛋白 / 可溶性プリオン蛋白 / ノックアウトマウス / モノクローナル抗体 / ELIZA法 / ELISA法 |
研究概要 |
プリオン蛋白の高いイムノアッセイ法の確立を目指して、本研究期間内に開発した可溶性プリオン蛋白とそれによって作成したモノクローナル抗体を用いて、ELIZAのアッセイ方法を開発した。このアッセイ系の有用性を確かめるために、神経芽細胞に強制発現させたヒト型プリオン蛋白をホスホリパーゼ処理によって培養液中に遊離させたサンプルと発現させていない陰性コントロールサンプルを比較して測定した結果、このELIZA系では十分な感度でヒト型プリオン蛋白を測定できることが明らかとなった。さらにこのELIZA系を用いて実際にヒト血漿中のプリオン蛋白の濃度を検討した結果、陽性と判断されるサンプルがクロイツフェルト・ヤコブ病の患者のなかで見つかった。しかしながら、陽性率は高いものでなく、また正常人のなかにも陽性と判断される例も明らかになったことより、このELIZA系だけでクロイツフェルト・ヤコブ病の診断をするにはいまだ困難であると考えた。もちろんプロテアーゼ処理後のサンプルでは、陽性反応は弱まり、当初予想していたようにプロテアーゼ抵抗性の前にはプロテアーゼ感受性の異常プリオン蛋白が存在し、このプロテアーゼの感受性によって正常型プリオン蛋白との鑑別が困難であることが明らかになった。正常型プリオン蛋白とプロテアーゼ感受性の異常プリオン蛋白を量的な区別だけでは診断法として無理であったのである。異常プリオン蛋白の構造のみを認識するモノクローナル抗体の必要性が確認でき、プリオン蛋白のノックアウトマウスに異常型プリオン蛋白を直接接種し、異常プリオン蛋白の変性前と変性後の免疫反応性で構造特異的な抗体のスクリーニングへと繋がりさらなる研究の方向が明らかとなった。
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