研究課題/領域番号 |
12877081
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
高井 憲治 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60121167)
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研究分担者 |
永渕 裕子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (80278001)
岳野 光洋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50236494)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 自己反応性T細胞 / X染色体 / キメラ |
研究概要 |
自己免疫疾患は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)に代表されるように女性に多い。近年、個体における自己抗原のキメリズムが自己免疫疾患の病因に関与する可能性が指摘されている。そこで、本では男女の本質的な相違である性染色体の発現に着目した。女性の個々の体細胞においては2つのX染色体のうち一方は不活化され発現しない。そこで、「胸腺内の抗原提示細胞で極端なX染色体不活化が生じた場合、一方のX染色体遺伝子産物を自己抗原と学習することなく末梢に移行し、末梢ではじめてその遺伝子産物を認識したときに活性化し、慢性移植片対宿主反応の様式で自己免疫病態を惹起する。」という仮説のもとに検討した。 蛍光プライマーを用いたPCR法によりアンドロゲンレセプター遺伝子の多形性を定量的に解析し、不活化X染色体の比率を算定するシステムを確立した。末梢血単核細胞のX染色体の不活化パターンはSLE患者と健常者に差異はなかった。しかし、同じ抗原提示能を持つ単球とBリンパ球それぞれの細胞サブセットにおけるX染色体の不活化パターンを検討してみると、健常者ではほとんど差異がないのに対し、SLE患者では明らかな差があるものが見られた。すなわち、X染色体遺伝子産物に着目すれば、その提示抗原が異なっている可能性が示唆された。さらに、SLE患者由来の自己反応性T細胞株の中には、同一患者に由来する異なるX染色体が不活化された2種類のEBウイルス形質転換B細胞株に対する反応性に相違のあるものがあり、いずれかのX染色体遺伝子産物のみを選択的に認識していると考えられた。さらに、differential display法により解析を進め、認識自己抗原のクローニングを進めている。
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