研究課題/領域番号 |
12877082
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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研究分担者 |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | K Casp1Tg / 高IgE血症 / アトピー性皮膚炎 / IL-18 / K IL-18Tg |
研究概要 |
ケラチノサイト特異なCaspase-1トランスジェニックマウス(K Casp1Tg)がSPF飼育下にもかかわらず、高IgE血症とアトピー性皮膚炎(AD)を自然発症する。またIL-18を正常BALB/c(AD)マウスに投与すると多クローン性IgE産生が誘導される。これらのデーターを基盤にして今回実験を進め、以下に示すことを明らかにした。(1)IL-18は抗原の非存在下でナイーブT細胞に作用して、CD40Lの発現とIL-4/IL-13の産生を誘導する。(2)IL-18は抗原の存在下でナイーブT細胞に作用するとTh2細胞を誘導する。(3)K Casp1Tgの皮膚を同系のマウスに移植すると、IgE産生とアトピー症状を起こす。(4)ケラチノサイト特異なIL-18トランスジェニックマウス(K IL-18Tg)は高IgE血症とADを発症するが、K Casp1Tgに比し、発症が遅い。(5)K Casp1TgからIL-1遺伝子を欠損させるとK IL-18Tgの表現型に酷似する。以上のことから、IL-18はそれ単独でもアトピーを誘導できるが、IL-1に発症を加速する作用がある。更に、(6)K Casp1TgとSTAT6-/-を交配し、STAT6-/-K CaspaseTgを作製したところ、IgE産生は完全に抑制されたが、AD症状は認められた。これらのことからIL-18は、IgE産生能のないマウスにおいても、その肥満細胞、好塩基球刺激作用で、ADを発症させることが明らかになった。今回の研究で、全く新しいADの発症機序が明らかになったことから、今後はこれらのデーターを基盤にして、ADの治療法の樹立に努力したいと考えている。
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