研究課題/領域番号 |
12877097
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
呉 暁牧 日本学術振興会, 特別研究員
村井 弘之 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (80325464)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アトピー / 気道アレルギー / 運動ニューロン傷害 / 平山病 / 低親和性IgE受容体(CD23) / 抗神経抗体 / 抗ガングリオシド抗体 / 血漿交換 |
研究概要 |
1)気管支喘息発作後に脊髄前角運動ニューロン傷害により弛緩性麻痺を呈した成人2例を報告し、アトピー素因が背景因子として重要であることを指摘した。 2)アトピー性疾患に伴う脊髄炎のうち、皮膚アレルギー(アトピー性皮膚炎)を伴う脊髄炎では頚髄後索傷害が主体であるのに対し、気管支喘息やアレルギー性鼻炎など気道アレルギーを伴う脊髄炎では、側索・前角運動ニューロン傷害による運動麻痺を主徴とすることを見出した。また、脊髄性進行性筋萎縮症や平山病(頚髄前角運動ニューロン傷害による若年性一側上肢遠位筋萎縮症)では気道アレルギーの頻度が対照より有意に高いこと、平山病では全例ダニ特異的IgEが陽性でアレルギー性疾患の家族歴が健常対照より有意に高いことを明らかにし、気道アレルギーが運動ニューロン傷害の重要な危険因子であることを見出した。 3)平山病では血小板CD23(低親和性IgE受容体)陽性率が、健常対照や他の神経疾患に比し有意に高く、アトピー素因を背景にIgEを介した血小板の活性化が生じている可能性を指摘した。 4)平山病5例における検討では、抗神経抗体は全例陰性、抗ガングリオシド抗体もIgM型抗GM1抗体を1例で認めたのみであった。しかし、早期例では血漿交換が有効であったことから、今後は発症早期にこれらの自己抗体検索を行うことが重要であると考えられた。 5)脊髄性筋萎縮症患者の中で血漿交換が有効な4例を経験し、血清中に抗神経抗体が存在することを見出した。ヒト脊髄cDNAライブラリー(λZAPII)を作製し、現在イムノスクリーニングを行っている。
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