1.カルシウム波に一致して、遅延後脱分極(DAD)が記録された(n=8)。 2.高頻度電気刺激の最終刺激に同期して一過性の5あるいは10%伸展(0.15-0.2秒間)を加えた。これらの伸展刺激によって、最終刺激から後収縮あるいはその際の細胞内カルシウム([Ca^<2+>]_i)上昇のピークまでの時間が有意に短縮し、そのピーク値も有意に増加した(n=10)。それらの増加は伸展の程度と有意な相関を示した。 3.後収縮とその[Ca^<2+>]_iの増加がある閾値を越えると単収縮が誘発された。 4.一過性の伸展刺激によって、最終刺激からDADのピークまでの時間が有意に短縮し、そのピーク値も有意に増加した(n=8)。 5.一過性の伸展によって、後収縮時のカルシウム波の伝播速度は有意に増加し(n=7)、その変化は伸展による発生張力の変化と有意な相関を示した(n=12、r=0.84、p<0.01)。 6.ガドリニウムは伸展による後収縮と[Ca^<2+>]_i、の増加を抑制しなかった。 【結語】心筋伸展は、収縮蛋白からの解離Ca^<2+>を増やすことによりカルシウム波の伝播速度を増加させ、結果として不整脈を引き起こすことが示唆された。
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