研究課題/領域番号 |
12877146
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
宮本 幸夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10200213)
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研究分担者 |
戸崎 光宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50287182)
佐久間 亨 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10246407)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ultrasonography / color Doppler / PFD / HCC / liver / neoplasm / CT / MRI |
研究概要 |
10例の健常者に対し、PFD(pulsatile flow detection)により肝超音波検査を施行し、動脈、門脈、静脈のmappingの精度につき検討した。さらに、42例の未治療の肝細胞癌例に対し、従来のパワー/カラードプラおよびPFDによる超音波検査を施行した。撮像に際しては、VTRにて動画を記録すると共に、腫瘤内の血流が最も良く描出されていると思われる部位において画面撮像した。なを、従来のパワードプラ、カラードプラにおける断層面を基準とし、PFDの画像は、出来る限り上記のパワード/カラードプラの断層面と重複する面の評価が可能となるべく、同一の断層面を撮像するように心がけた。また、全例に対し、4相の造影CT検査あるいはdynamic MRI検査を施行した。 このようにして得られた各モダリティーの画像は、それぞれ出来る限り同一と思われる断層面において比較検討し、特に肝細胞癌の分化度の評価を中心に腫瘍の血流支配を評価した。さらに、2例においては、手術による肝切除が施行されたため、腫瘤の組織像と各モダリティーにおける画像とを比較検討した。 20例の健常者においては、血流mappingとドプラスペクトル解析とを比較し、PFDにおいて正確に動静脈および門脈が血流mappingされることを確認した。 42例中30例においては、PFDにて腫瘤内に明らかな静脈性の血流が認められず、いわゆる古典的な肝細胞癌(低分化型)に一致するbasket-patternが描出された。同例のCT・MRIでは、早期の濃染と門脈相wash-outが確認された。残る12例の腫瘤においては、PFDにて腫瘤内に動脈と門脈血流とが混在し、CT・MRIにおいても、門脈相におけるenhancement効果の持続が確認された。なお、腫瘤の組織を確認し得た2例においては、1例は古典的肝細胞癌であり、残る1例は高分化型の肝細胞癌であったが、前者は上記のPFDにおいて、動脈血流によるbasket-patternが認められ、後者ではPFDにおいて、腫瘤内に動静脈と門脈とが混在して認められた。 これらの研究結果は、日本医学放射線学会や日本超音波医学会、および、世界超音波医学会総会、アジア超音波医学会等にて発表した。
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