研究課題/領域番号 |
12877175
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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研究分担者 |
山下 健一郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
陳 孟鳳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄付講座教員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 異種移植 / Concordant / 遺伝子治療 / CD40Ig / CTLA41Ig / FK778 / 肝移植 / 心移植 / CTLA4Ig / ラット / ハムスター / 肝臓 / 心臓 |
研究概要 |
ハムスターからラットへのConcordant異種移植における遺伝子治療による免疫抑制効果を、肝移植、心移植のそれぞれで検討した。遺伝子導入のベクターとしてアデノウイルスを、導入する免疫抑制遺伝子にCTLA4Ig、CD40Igを用いた。 1.肝移植:無治療群では6日で拒絶されるのに対し、CTLA4IgとCD40Igの両者を併用投与した群ではmedian survivalで40日以上の長期生着を見た。両者併用群では移植後のXeno特異的IgM抗体、IgG抗体の産生がともに抑制されていた。これはCD40Igの持つBリンパ球抑制作用、IgMからIgG産生へのクラススイッチの抑制作用がacute vascular rejectionを抑制し、更にCTLA4IgとCD40Igの持つTリンパ球抑制作用が細胞性免疫反応を抑制した結果と考えられた。 2.心移植:無治療群では3日で拒絶されるが、CTLA4IgとCD40Igの両者併用群でも生着延長は見られなかった。拒絶された心臓の組織像ではIgMの血管内皮への沈着が著しく、激しいacute vascular rejectionの像が確認された。この液性免疫反応を抑制する目的で、移植後早期にFK778(新規ピリミジン系代謝拮抗剤)を1週間併用した群では100日以上の長期生着を見た。心移植におけるacute vascular rejectionでは、肝移植に比べ、より強い液性免疫反応の関与が示唆され、これに対しては代謝拮抗剤の併用が著効することが確認された。また、代謝拮抗剤により液性免疫反応を抑制することができれば、CTLA4IgとCD40Igのもつ細胞性免疫抑制作用により心移植においても長期生着を得ることができた。 また、肝移植、心移植ともCTLA4Ig、CD40Igの単剤投与のみでは長期生着を見ず、両者の併用により相乗的な免疫抑制効果を発揮することが確認された。
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