研究課題/領域番号 |
12877196
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20186993)
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研究分担者 |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70315935)
山岸 久一 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40128723)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / p21 / WAF1 / G2 / M期 / gadd45 / Oct-1 / CCAAT / NF-Y / telomerase / 酪酸 / Sp3 / 細胞周期 / 抗癌剤 / 転写抑制 / 転写活性化 |
研究概要 |
食物繊維の代謝産物である酪酸が細胞の増殖を抑制し、その抑制作用は酪酸の有するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害能によるp21/WAF1遺伝子の発現誘導によることを我々は以前に報告している。 その後、HDAC阻害剤による抗腫瘍効果は数多く報告されており、そのほとんど全てでp21/WAF1の誘導が確認されている。しかしながらP21/WAF1誘導のみでは説明のつかない影響も認められ、p21/WAF1以外のHDAC阻害剤の標的遺伝子の存在が示唆されていた。 本年度において、p21/WAF1以外のHDAC阻害剤の標的遺伝子の同定を検討した。HDAC阻害剤処理によりG1期停止のみならずG2/M期停止も観察されたことから、G2/M期停止に関与する遺伝子がHDAC阻害剤の標的遺伝子であると考え、G2/M期停止、アポトーシス、DNA傷害に関与する遺伝子であるgadd45遺伝子の発現に注目した。その結果、gadd45遺伝子はHDAC阻害剤処理によりp53非依存的に誘導されることを見出した(gadd45はp21/WAF1同様p53標的遺伝子でもある)。 HDAC阻害剤によるgadd45発現誘導はそのプロモーター領域を介するもので、この活性化にはOct配列とCCAAT配列が必要であることが判明し、この配列にはそれぞれ転写因子Oct-1とNF-Yが結合していた。これらの転写因子はHDAC阻害剤処理で量的変化は示さなかったが、HDACと結合することが知られているSMRTがOct-1に結合していることを見出した。従って、HDAC阻害剤によるgadd45遺伝子の転写活性化は、通常はHDACにより抑制されているgadd45遺伝子がHDAC阻害剤により脱抑制されると考えられた。 現在この研究結果は国際誌に投稿中である。 また共同研究により、HDAC阻害剤がtelomeraseの発現にも関与することを報告した。
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