研究課題/領域番号 |
12877197
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
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研究分担者 |
植木 孝浩 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10309461)
竹内 雅春 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258162)
山本 秀尚 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50322582)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 肝不全 / NFkB / HVJ-liposome / 遺伝子治療 / おとり型核酸 / 急性肝不全 / サイトカイン |
研究概要 |
(目的)急性エンドトキシン肝障害の動物モデルを作成し転写因子NFkBを標的とした遺伝子治療を行い高サイトカイン血症と、それによる急性臓器障害の回避が可能かを検討した。(方法)FITC-oligoをHVJ-liposomeに包埋しBALB/Cマウス肝へ遺伝子導入し、肝における合成核酸の分布を検討した。次にグラム陽性菌P.acnes)の加熱死菌を腹腔内投与、前感作し一週間後E.Coli由来のLPSを静注投与して急性エンドトキシン肝障害モデルを作成した。治療群はP.acnes処理後NFkBデコイを肝へ導入した。LPS投与後、約16時間後に両群を犠死させ肝組織障害をHE染色にて、肝組織のIFN-g, Fas-LをRT-PCR, apoptosisをTUNEL法にて、血清中の各種炎症性サイトカインをELISA法で検討した。(結果)1.経門脈的に導入されたFITC-oligoは主にKupffer細胞へ導入された。2.急性エンドトキシン肝障害モデルにおいてNFkBデコイ導入群は対照群と比較し肝組織内の炎症細胞浸潤、肝細胞壊死が著明に抑制された。肝組織中のIFN-g, Fas-LのmRNAの発現を抑制した結果、肝細胞の広範なapoptosisも回避された。3.血清中の炎症性サイトカインTNF-a, IL-1b, IL-12、及びIL-18も対照群と比較して抑制された。(総括)肝非実質細胞、主にKupffer細胞へ導入されたNFkBデコイはエンドトキシンによって活性化した転写因子NFkBと特異的に結合して炎症性サイトカイン遺伝子の急激な転写活性化を抑制し、致死性のエンドトキシン肝障害を回避しえた。本研究により侵襲に続く高サイトカイン血症による肝障害への遺伝子治療の可能性が示唆された。
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