• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

卵巣癌の播種性転移における細胞環境と癌細胞との相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12877260
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 産婦人科学
研究機関信州大学

研究代表者

小西 郁生  信州大学, 医学部, 教授 (90192062)

研究分担者 二階堂 敏雄  信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード卵巣癌 / 播種性転移 / 低酸素 / VEGF / E-cadherin / 細胞周期
研究概要

卵巣癌患者の予後を決定する最も重要な因子である腹腔内播種性転移の機構はいまだ不明である。そこで、本研究は卵巣癌の細胞環境を解析し、腹膜播種における癌細胞の生存、増殖、接着、運動、および血管新生を細胞環境の観点から明らかにすることを目的とした。卵巣癌細胞の置かれた環境を卵巣腫瘍内溶液や腹水のガス分圧やpHでみると、pO_220〜40mmHg,pCO_250〜60mmHg、pH6.4〜7.1であり、癌細胞は低酸素状態およびアシドーシスにさらされており、このような環境に適応する機序が重要と考えられた。実際の卵巣癌組織においては、血管新生因子であるVEGFの発現が原発巣において血管より離れるに従って増強し、in vitro低酸素条件下でもVEGF発現および産生が上昇した。さらに、低酸素条件は、細胞周期促進因子であるcyclinsおよびcyclin-dependent kinase(cdk)発現を低下させ、一方、抑制因子のcdk inhibitors発現を亢進させた。細胞接着に関与するE-cadherinおよびその細胞内裏打ち蛋白であるβ-cateninの発現をみると、低酸素によりE-cadherinの発現増強が誘導され、実際の卵巣癌組織においても原発巣に比し転移巣の癌細胞でE-cadherin発現が増強していた。なお、細胞の運動に関与するhepatocye growth factor(HGF)とその受容体であるc-metは卵巣癌細胞において両者とも発現していることが明らかとなり、また実際の卵巣癌においてその転移巣におけるc-metの発現増強が判明した。すなわち、卵巣癌の播種性転移では、血管新生因子、細胞周期調節因子、および細胞の接着や運動に関わる因子が種々の環境下でダイナミックに変化しながら転移過程に重要な役割を担っていると考えられた。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小西郁生: "婦人科癌における血管新生因子"日本産科婦人科学会雑誌. 52. 1222-1227 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi