研究課題/領域番号 |
12877264
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 彰治 山口大学, 医学部, 教授 (80112051)
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研究分担者 |
富士岡 隆 山口大学, 医学部, 助手 (50304473)
坂田 義行 山口大学, 医学部, 講師 (10034927)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 胎仔脳 / 子宮 / 陣痛 / 出産 / 視床下部 / 下垂体 / 副腎皮質 / 液性因子 |
研究概要 |
胎仔の視床下部-下垂体-副腎系が分娩の開始を決定している可能性を示唆する過去の報告にもとづき、ラット胎仔脳を電気刺激することによって母体の子宮筋の収縮を誘発できるかどうかを検討した。母体の子宮筋に収縮力センサーを縫着後、子宮から胎仔を取り出して、私たちが考案した胎仔固定装置に胎仔の頭部を装着固定した。頭皮および頭蓋骨を切除後胎仔脳に刺激電極を刺入し、電気刺激を加えて母体の子宮筋の収縮を観察した。刺激部位は、これまでの破壊実験の報告などから視床下部室傍核を中心に刺激を行った。反応がある場合には、刺激開始後1分から5分程で子宮収縮が増強した。しかし、刺激開始前に子宮収縮が顕著な場合には胎仔脳刺激後に子宮収縮の抑制が見られたり、逆に子宮収縮があまり起きていない状態で胎仔脳を刺激すると子宮収縮が増加するという現象も見られた。現状では刺激により子宮収縮の状態が変化する例は見られるものの、安定した結果はまだ多くは得られていない。この原因として、麻酔の影響によって子宮筋の収縮が弱くなっていることと、胎仔脳が非常に小さいため脳内の特定部位を毎回正確に刺激するのが困難なことなどが考えられる。今後、これらの問題点を克服するためのさらなる工夫が必要である。また、実験の再現性が高まり明確なデータが得られるようになれば、次に胎仔脳の刺激によって生じる子宮筋収縮を仲介する物質が何であるか、またそれがどのような経路を経て母体子宮へと伝達されるかを究明していく予定である。
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