研究課題/領域番号 |
12877268
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加我 君孝 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80082238)
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研究分担者 |
山岨 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60251302)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 絶対音感 / ピッチ / 方向感 / 時間差 / バンドノイズ |
研究概要 |
絶対音感は幼小児期に音楽教育で受けると、そのうちの約1/3程度のものに身につく特別な能力である。すなわち、様々な音のピッチを正確に同定することが可能である。これは単に教育の成果だけではなく、先天的な素質すなわち遺伝的な能力である可能性もある。 我々は6名の絶対音感者を対象に、方向感検査、装置(リオン社製)を用いて、時間差、強度差の2つの方向感能力を評価した。使用した音源は500Hzバンドノイズ、500Hz、800Hz、1kHzの純音である。そのコントロールとして成人10名のデーターを比較した。その結果いずれの音についても、時間差についてはコントロールの域値より著しく低く、これを感度として表現すると2〜3倍の感度であることが判明した。一方、音の強弱については、絶対音感のあるものとないものに差を認めなかった。以上の結果を考察すると1ピッチというのは、時間を因子としたものである。例えば1kHzの音は、1秒の間と1000個の波がある。すなわち1つの単位の波の時間は1μsecである。ところが、絶対音感者の時間差の域値は約100μsecであるから、なんと波の1周期の1/10だけの差で向定できることになる。ニューロンは刺激に対する発火が約1μsecである。 以上のことは、方向感というのは、個々のニューロンの認知ではなく、脳のシステムとして働き、1つのニューロンの単位を越えた認知機能が成立することがわかる。このことは両の機序と比較して興味のあることである。
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