研究課題/領域番号 |
12877277
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芫木 均 (高木 均) 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
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研究分担者 |
鈴間 潔 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)
高橋 政代 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80252443)
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
万代 道子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80263086)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 網膜血管新生 / 周皮細胞 / 内皮細胞 / PDGF受容体 / vascular-remodeling / Ang1 / PDGFR-α抗体 / PDGFR-β抗体 / 血管発生 / 血小板由来増殖因子 / 血管内皮細胞 / 血管壁細胞 / 血管リモデリング |
研究概要 |
本研究では、病的網膜血管新生理解への足がかりとするため正常網膜血管発生機構を詳細に把握することを目的とした。網膜血管形成における周皮細胞-内皮細胞のinteractionの役割を検討するため、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体βにたいするモノクローナル抗体を新生児マウス腹腔に注入し、フラットマウント法にて網膜血管形成を観察した。抗PDGFR-β抗体を投与したマウスでは網膜血管は壁細胞による被覆を失い、顕著に拡張・蛇行しvascular remodelingにも異常をきたした。電顕像にても内皮細胞間結合の解離、細胞外マトリックス異常が見られた。網膜浮腫が起こった後10日目には網膜出血、硝子体出血がみられた。このような状態はpericyte loss後に進展する糖尿病網膜症に類似していた。抗PDGFR-α抗体では、グリア細胞抑制により網膜血管が伸長しないが、こうした周皮細胞の異常はみられなかった。周皮細胞は様々な因子を分泌し内皮細胞を制御している。アンジオポエチン1(Ang1)はそのような因子のひとつであるが、その単独投与により周皮細胞の被覆がない状態の血管においても網膜血管の正常な形成がみられた。以上の結果よりPDGFR-βによる制御が周皮細胞の制御因子になっていること、Ang1による制御が周皮から内皮への主要制御機構になっていることが示唆された。糖尿病網膜症などにおけるpericytelossの意義が明らかになったばかりでなく、今後の血管再生的治療法の開発にAng1が有用であることが示された。
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