研究分担者 |
李 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60220795)
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60206810)
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20308307)
庄司 洋史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90277913)
|
研究概要 |
本研究プロジェクトのESRの生物医学的アプリケーションとしての最終的なゴールであるESRのin vivo実験系への外挿に着手し,現在まで研究室においてESR画像装置の開発を進める中で,昨今生活習慣病との関連から注目されているフリーラジカルによる酸化ストレスの評価について小動物を用いて非侵襲的に測定するin vivo ESR方法論の確立を目指した。現段階でこれまで脳内の酸化ストレス評価にBBBを通過するnitroxyl spin probeであるMC-PROXYLを用いることで,高血圧自然発症ラットおよび脳卒中自然発症ラットの脳内酸化ストレス評価をin vivo ESR法を用いて初めて可能にした(研究発表参照)。また,従来使用されてきたcarbamoyl-PROXYLとのESR画像比較によりマウス顎顔面,口腔領域のESR画像化に世界でも初めて成功した(研究発表参照)。以上in vitro, in vivo実験系のESR生物学的アプリーケーションから得られた知見を背景として,フリーラジカルの病態生理学的役割とESRを用いた新しい診断方法論を含めて最終的に臨床応用を進めたいと願っている。とくにin vivo ESR法により口腔機能と中枢機能との連関をフリーラジカルの観点から理解することができれば口腔機能の新しい生理学的意義を見出すことができるかもしれない。これに加え,in vivo ESR法の非侵襲的な酸化ストレス評価から新しい抗酸化食品,ひいては優れた抗酸化力を有する創薬の開発を実現できれば21世紀医療として認知されている老年予防医学に対して寄与することは間違いない。従って,本研究プロジェクトの結果よりさらに口腔機能の改善により優れた抗酸化食品,薬剤を経口摂取することで生活習慣病の予防,中枢機能の加齢による破綻(アルツハイマー病など)を予防することでこれら疾患患者のQOLを高めることが可能であるという科学的根拠を蓄積した暁に,老年予防歯科医学を確立することが将来的に進められるものと考えている。
|