研究課題/領域番号 |
12877338
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 敏比古 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10037541)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 口臭 / 歯周病 / 口腔内細菌 / メチルメルカプタン |
研究概要 |
口臭の原因物質として現在最も有力視されているのは揮発性硫化物(VSC)と総称される物質である。VSCは様々な組織為害作用を有することが報告されており、中でもメチオニンの分解産物であるメチルメルカプタンは歯周炎の発病との関連性が強いといわれている。そこで、本研究では、歯周病原性Porphyromonas gingivalisのメチルメルカプタン産生にかかわる遺伝子を同定し、その機能を解析した。 先ず、P.gingivalis W83株、W50株及びATCC33277株、Fusobacterium nucleatum ATCC10953株、Actinobacillus actinomycetemcomitans Y4株などの歯周病細菌によるVSC産生をガスクロマトグラフィーにより調べた。その結果、P.gingivalisとF.nucleatumが多量のメチルメルカプタンを産生することが明らかになった。とくに、強毒株とされるP.gingivalis W83株のメチルメルカプタン産生能が高いことが判明した。そこで、P.gingivalis W83株のメチオニン分解酵素であるL-methionine-a-deamino-g-mercaptomethane-lyaseをコードする遺伝子(mgl)をクローニングしたところ、同構造遺伝子は1,200bpからなり、43.3kDaのタンパク質をコードしていることが明らかになった。ついで、同菌株を用いて薬剤耐性遺伝子による插入失活を行い、本遺伝子の欠損株を作製したところ、同変異株ではメチルメルカプタンが全く産生されなかった。以上の結果により、本酵素がP.gingivalisのメチルメルカプタン産生能に関与していることが明らかとなった。さらに、マウスの皮下にW83株とその形質転換株をそれぞれ注射し、致死率を比較することで病原性の変化を調べた。その結果、野生株と比較してmgl欠損株では致死率が低下していたことから、メチルメルカプタンがP.gingivalisの病原性に関わる因子の一つであることが示唆された。
|