研究課題/領域番号 |
12877359
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 転写開始 / PolII / 線虫 / TFIIE / TFIIH / 色素性乾皮症 / CTDリン酸化 / XPG |
研究概要 |
1.線虫TFIIEを用いたPolIIの転写開始から伸長への移行段階の解析 我々は、TFIIEの機能を解析する目的で線虫TFIIEを単離しヒトTFIIEと比較検討した。ヒトと線虫TFIIEのサブユニットを組み合わせたキメラTFIIEを発現・精製し、転写再構成系にてヒトTFIIEと機能的互換性を検討したところ、線虫βはヒトβと部分的に置き換ったが、線虫αは置き換らなかった。原因を検討すると、線虫αはヒトβとの結合活性が10%以下となりヒトTFIIEの様な転写活性を示さないことが分った。一方、線虫βはヒト転写系では伸長への移行活性が低かった。TFIIEは、PolII最大サブユニットのCTD配列の2番目と5番目セリンのTFIIHによるリン酸化を促進する。ヒトαと線虫βのキメラでCTDリン酸化を調べると、5番目セリンリン酸化活性が著しく低下していた。このことから今回、伸長への移行はPolIICTDの5番目セリンリン酸化と密接な関連性があることが示唆された。 2.TFIIHを欠損する遺伝病患者細胞の欠損TFIIHのDNA修復反応における他因子との協調的制御機能の解析 TFIIHはPolIIの転写に必要であるが、一方、紫外線等によるDNA傷害修復にも直接関与し、9サブユニットの2個XPBとXPDのどちらか一方に変異が入ることで発がんを伴う色素性乾皮症(XP)が発症する。我々は、これまでにTFIIHが遺伝子DNA上の紫外線、薬剤等による傷害部位にDNA修復因子が集まり修復する際に、形成される複合体内で損傷を認識することを明らかにしたXPCと損傷DNA部位の3'側を切断するXPGの2者に結合し機能することを見出している。今回、これら因子が実際にヒト細胞内でTFIIHと相互作用し、その際紫外線、薬剤により損傷を生じたDNAとの相互作用の効率は、損傷の無いものより高いことを明らかにした。
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