研究概要 |
1.DJ-1結合タンパク質としてのPIASxaの同定と機能 DJ-1結合タンパク質として,まずandorogen receptor(AR)の負の制御因子であるPIASxaを同定した.DJ-1はPIASxaのAE結合領域に結合し,AR上で拮抗的に作用し,ARからPIASxaを吸収した結果,ARの転写活性化をもたらした.以上の事より,DJ-1はARの正の制御因子であることが明らかとなった. 2.DJ-1のSUMO-1修飾と機能 DJ-1は130番目のリジンがSUMO-1修飾された.130番目のリジンのアルギニン変異体はDJ-1のrasとの細胞癌化能,細胞増殖促進活性,ARの活性化機能が全て抑制されることよい,DJ-1機能にはSUMO-1修飾されることが必須であると考えられる. 3.DJ-1結合タンパク質としての新規タンパク質DJBP DJ-1結合タンパク質として新規タンパク質DJBPを同定した.DJBPは精巣特異的発現し,PIASxa同様,ARに結合し,ARの転写活性を抑制したが,DJ-1はDJBPを吸収し,ARを活性化した. 4.DJ-1遺伝子の単離とプロモーター解析 ヒト,マウスDJ-1遺伝子を単離,構造解析を行った.ヒトDJ-1遺伝子は癌化のホットスポットである1p36.2-1p36.3にマップされ,Sp1により制御されていた. 5.内分泌かく乱物質とDJ-1 オルニタゾールなどの内分泌かく乱物質により,DJ-1は精子頭部より消失し,不妊に至った.
|