平成11年度にツインマザースクラブ会員に対し実施した郵送質問紙調査を詳細に分析を加えた。対象双生児例は1428組である。 双子独自の言葉(Twin-talk)の発生は、1428組中627組(43.9%)においてみられた。このようなTwin-talkのコミュニケーションが最も盛んになる時期は、平均で生後27.8ヶ月(2歳前後)であった。Twin-talk現象の発生は、2人が遊んでいる時で遊びが盛り上がった時に特に頻回にみられることが判明した。 Twin-talk現象の発生率は一卵性と二卵性の間で有意差がみられなかったことから、遺伝要因ではなく生活環境要因の関与によりTwin-talk現象が生じていることが示された。また、Twin-talk現象には「単語のみが特有」であるものと、「会話全体が特有」であるものとに大きく分かれて、「会話全体が特有」である双児が42.9%であった。 本研究では児の発達関連要因として、首の座り、つかまり立ち、ひとり歩き、発語、排泄の自立の時期を検討したが、Twin-talk現象との有意な関連は示唆されなかった。性別を男性ペア、女性ペア、男女ペアに区分した比較では3群間で有意差はみられなかった。 Twin-talkと家族要因との関連についての解析では、1)出生時体重の低さ、2)一卵性であること、3)他に兄や姉がいないこと、4)祖父母が同居していないこと、5)妊娠中毒症があった、等の要因が関連要因として示唆された。 双生児家庭へのファミリーケアでは、これら要因への配慮が必要であることが示された。
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