研究課題/領域番号 |
12878072
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
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研究分担者 |
金子 俊郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30312599)
平田 孝道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80260420)
大原 渡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312601)
佐藤 徳芳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005252)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非平衡反応性高周波グロー放電 / マグネトロン放電方式 / カーボンナノチューブ / C_<60>・C_<70>フラーレンの大量合成 / C_<60>因子の高次構造炭素クラスター / RF電極へのイオン衝撃 / RF電極表面温度 / 非平衡反応性プラズマ / 高次構造クラスター / C_<60>内包ナノチューブ |
研究概要 |
今年度は、メタン(CH_4)/水素(H_2)混合ガスによる非平衡反応性高周波(RF)グロー放電の、弱磁化プラズマ内に設置した触媒金属を兼ねたRF電極に外部から直流電圧を印加して電位(V_<RFE>)を制御した場合の、カーボンナノチューブ(CNTs)成長状態とフラーレン形成量の詳細を調べた結果、以下のことが判明した。 (1)RF電極に生じる自己バイアス電圧(-300V)よりもやや高いV_<RFE>=-210Vの場合、CNTsは殆ど存在せずに多面体状グラファイトが大半を占めていた。しかし、V_<RFE>を負に深くすると、CNTsが頻繁に観察され、V_<RFE>=-400Vでは、単独に成長した直径70nm、長さ10μmの細長い多層CNTsの形成が確証された。更に、フラーレンを内包したCNTsの形成を示唆する結果が得られている。 (2)現行の質量分析の他に、可視/紫外吸収分光器による水冷式RF電極上に堆積した煤の分析を行った。その結果、フラーレンC_<60>とC_<70>の吸収が観測され、それらの強度はRF投入電力の増加に比例して増えることが判明している。ゆえに、各種パラメーターの最適条件を見出すことにより、フラーレンの大量合成のみならず、ナノチューブ形成機構の解明にも大きく寄与すると考えている。 (3)我々の実験におけるガス混合比(H_2/CH_4=1/9)は、従来の熱又はプラズマCVD法の場合と比べると逆転しているため、従来の基板加熱膜成長法とは全く異なるC_<60>因子のより高次構造の炭素クラスター形成機構が存在することを示唆する結果が得られた。 以上の結果を総合すると、CNTsの単独形成・成長とフラーレン形成には、RF電極表面に平行な弱磁場を印加するマグネトロン放電方式による特異な放電形態に起因した、電極へのイオン衝撃による多面体状グラファイトの分解・合成の促進と、それに伴なうRF電極表面温度変化との相乗効果が重要であるという結論に達した。
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