研究課題/領域番号 |
12878098
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
亀屋 隆志 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70262467)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 土壌汚染 / 有害金属類 / イオン交換平衡 / イオン交換速度 / 溶解平衡 / 物質収支 / 物質移動シュミレータ / 有害金属 / カチオン / 溶解・沈殿平衡 / 物質移動モデル / シミュレーション解析 |
研究概要 |
本研究では、有害金属類による土壌汚染の実態を簡易かつ迅速に推計するための物質移動シミュレーターを開発することを目的として、土壌中での有害金属類の主な物質移動過程を(1)沈澱・溶解、(2)浸透・拡散、(3)イオン交換・脱離に分け、それぞれでの有害金属類の平衡関係や移動速度を検討した。 土壌中に存在する有害金属類の物質収支は、(1)土壌間隙水中への溶解量、(2)沈澱量、(2)土壌細孔内へのイオン交換量によって分けられる。このうち沈澱については、細孔内へのイオン交換に比べて充分に速く進行すると考え、水酸化物の溶解度を用いて各pHでの沈殿量を計算した。また、イオン交換量については、沈殿形成が起こらないpH条件および濃度条件においてイオン交換等温式を実測で求めることで、任意のpH条件および濃度条件でのイオン交換量を推算した。これらの結果をもとに、沈殿/溶解/イオン交換を考慮した物質収支式を考案して実験的に検証したところ、土壌の種類によらない溶解平衡定数を実験的に決定することで、土壌中での有害金属類の物質平衡関係をうまく表すことができた。 また、有害アニオン溶液を土壌ミニカラムに通水して得られる破過曲線を多段均一層列モデルで数値解析した結果、計算値が実験データとよく一致した。以上より、土壌中での有害金属類の溶解平衡定数、イオン交換平衡定数および総括物質移動容量係数を簡単な実験を行って求めることにより、汚染分布を容易・迅速に推計できることがわかった。 このほか、土壌中での有害金属類のイオン交換平衡式を8種の土壌について検討したところ、5種の有害カチオンについてはH^+やA1^<3+>の影響を受け、3種の有害アニオンについてはOH^-の影響を受けて交換量が低下することが多成分系イオン交換等温式で定量的に整理できることが明らかになった。
|