研究課題/領域番号 |
12878123
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
光岡 薫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60301230)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 膜蛋白質 / 結晶構造解析 / 二次元結晶 / Homer / エンドセリン受容体 / 代謝型グルタミン酸受容体 / 共局在 / 構造解析 / グルタチオン異性化酵素 |
研究概要 |
PSD-Zip45はシナプスでの足場となる蛋白質で、神経伝達物質受容体や他の足場蛋白質と相互作用し、それらをシナプス後膜肥厚に局在化させている。そのPSD-Zip45の膜蛋白質局在化機構を解明し、膜蛋白質の二次元結晶化に応用することを目的に実験を行った。 G蛋白質共役受容体(GPCR)の一つである代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)はPSD-Zip45によりクラスターを作っていることが知られている。そこで、mGluRとPSD-Zip45との相互作用を分子レベルで詳細に理解するため、GPCRの一つであるエンドセリン受容体とPSD-Zip45と相互作用するmGluRのC末部分とのキメラ蛋白質を用いて、クラスター化に必要十分な領域を検討した。その結果、PSD-Zip45と直接相互作用するプロリンを多く含む10残基のみでなく、そのN末側に10残基のばした20残基が、効率的な局在化に必要であることがわかった。この知見は、PSD-Zip45を用いた膜蛋白質局在化を応用するのに非常に重要である。 PSD-Zip45は受容体と結合するEVH1(Ena/VASP homology 1)ドメインをそのN末側に、局在化に重要な二つのロイシンジッパードメインをそのC末側に持つ。その間に、そのファミリーで配列が保存されているにもかかわらず機能がわかっていない部分(CRH1ドメイン)を持つ。そこで、EVH1ドメインとCRH1ドメインを含むフラグメントを大腸菌を用いて発現し、その三次元結晶からX線結晶解析により原子モデルを決定した。その結果結晶中で、CRH1ドメイン中のプロリンを多く含む部分が、EVH1ドメインの受容体結合部位に一部重なる形で相互作用していることが明らかになった。このことはCRH1ドメインが局在化に寄与していることを示唆しており、より一層の研究が必要である。
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