研究課題/領域番号 |
12878129
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東京都立大学 (2001) 東京大学 (2000) |
研究代表者 |
加藤 潤一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10194820)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 染色体 / バクテリアゲノム / 大腸菌 / 必須遺伝子 / 欠失変異株 |
研究概要 |
細胞の増殖にシスに必須な染色体領域を、単純なモデル生物を用いて同定、解析することは、より複雑で高次な構造、機能を持つ高等生物の染色体の機能を理解するための基礎として重要である。本研究では大腸菌の染色体上に存在するシスに必須な領域を同定することを目的とした。複製起点oriC周辺でこれまでに欠失させることのできていなかった領域について、シスに必須な領域が存在する可能性を調べるために、出芽酵母2μプラスミドの部位特異的組み換え(FLP組み換え酵素-FRTサイト)を利用して、任意の染色体領域を欠失させその領域を複製が高温感受性であるミニFプラスミドに生体内で移すシステムを構築した。このシステムを用いると、その領域内に必須遺伝子が存在しない場合、またトランスに働く必須遺伝子が存在する場合には欠失させることができるが、シスに必須な領域が存在する場合には作製できない。このシステムを用いてこれまでに欠失させることのできていなかったoriC周辺の領域について調べたところ、欠失させることができたので、この領域にはシスに働く生育に必須な領域が存在しないことがわかった。次にシスに必須な領域の系統的、網羅的な探索を行った。これまでに、染色体全体にわたって、既知の大きな欠失変異が報告されていない領域で、かつ既知の必須遺伝子が存在しない領域について、163の欠失変異(平均約20kb)を設計して実際に欠失株の作製を試み、欠失させることのできなかった領域として85の領域を同定した。このうち34の領域については、それらの一部の領域を持つプラスミドで相補した状態で欠失させることができた。さらにのこりの49の領域について、上記のFLP-FRTを用いたシステムを用いて調べたところ、24の領域については欠失株を作製することができ、残りの25の領域が、シスに必須な領域が存在する可能性のある領域として同定された。
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