研究課題/領域番号 |
12878130
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
饗場 弘二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025662)
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研究分担者 |
阿保 達彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90303601)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | SsrA RNA / tmRNA / mRNA / Trans-translation / ペプチドタグ / プロテアーゼ / LacI / lacオペロン |
研究概要 |
SsrA RNA(tmRNA)は、何らかの原因でストップコドンを欠くmRNAが生ずると、tRNAとmRNAの双方の働きをしてtrans-translationと呼ばれる反応により、新生ポリペプチド鎖に特異的なペプチドタグを付加し、ポリペプチド鎖はC末端特異的プロテアーゼの標的となり速やかに分解される。しかしながら、この反応が細胞本来の遺伝子系で実際に機能しているかどうかは不明であった。本研究は、trans-translationの生理学的意義とその分子機構を理解するための今後の研究の基礎を築くことを目的として行われ、以下の成果が得られた。 1)高感度tagging検出系の確立 変異型SsrAを作成し高感度でタグを検出できる系の構築に成功した。SsrA-DD、SsrA-FLAGおよびSsrA-Hisがいずれもプロテアーゼ耐性型のタグ配列を効果的に標的タンパク質に付加できること、特異的抗体を用いたWestern blottingでタグ付加タンパク質を感度よく検出できることが判明した。高感度tagging検出系の確立はtrans-translationの生理的意義とそのメカニズム解析の強力なツールとなりうる。 2)LacIにおけるtrans-translationとその生理的機能 LacI遺伝子はC末端領域に補助的operatorがあるためLacI自身の結合に起因する不完全長のmRNAの産生を経てtrans-translationの特異的標的になることを発見した。また、SsrAを欠損する菌はlacオペロンの発現誘導が起こりにくいこと、LacIにおけるtrans-translationがlacオペロンの外界の変化に対する迅速な応答の維持、保証に関与していることを明らかにした。
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