研究課題/領域番号 |
12878145
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高島 明彦 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, チームリーダー (00154774)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 脳 / 老化 / テロメア / テロメレース / アルツハイマー病 / モデルマウス / 神経細胞 / テロメア結合因子 / 細胞周期 / マウス |
研究概要 |
哺乳類動物テロメア配列に特異的なPNA (Peptide Nucleic Acid)蛍光物質標識プローブを作成し、マウス脳組織切片上でFluorescence In Situ Hybridization (FISH)を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞レベルでの核内テロメア動態の観察をより高齢化したマウスを用いて検討を重ねるとともに、痴呆症様の行動異常を呈する遺伝子改変マウス脳に出現する、変性神経細胞における核内テロメア動態についても検討した。その結果、一部の変性した神経細胞におけるシグナルの増強が認められた。このことから、一部の変性した神経細胞では(1)テロメア修復因子(テロメレース)によるテロメア長の延長がなされている、または(2)核内において染色体末端部が密集していることが考えられた。こうした変性神経細胞にはテロメレースの一つの構成要素であるTERTの発現が認められず、またBrdU取り込み実験を行ってもBrdUの取り込み像は確認できなかった。テロメア同士の結合は染色体の安定構造を損なう現象として知られているが、本研究において確認された変性神経細胞におけるテロメア動態の異常はテロメア同士の結合による可能性が高いと考えられる。 アルツハイマー病患者の末梢単球系細胞のテロメア長は、健常人と比較して有意に短く、またテロメア短縮はアルツハイマー病の症状の進行と高い相関を示すことが報告されたことから、他器官においても、テロメア短縮が認められる可能性を考え、早期発症の家族性アルツハイマー病遺伝子を導入したマウスにおけるテロメア長の解析を現在おこなっている。
|