研究課題/領域番号 |
12878157
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
伊佐 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (20212805)
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研究分担者 |
斎藤 康彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (70290913)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 上丘 / 視覚 / GABA作動性抑制 / 眼球サッケード運動 / ラット / 視神経 / 膝状体外視覚伝導路 / 視床枕 / 麻酔 / 霊長類 |
研究概要 |
中脳上丘は浅層に視神経から直接ないしは大脳皮質視覚野を会する視覚入力を受ける。そして中間・深層からは外界からの感覚刺激に対して眼や頭を向ける指向運動(orienting movement)を制御する信号を脳幹や脊髄に送る。しかし、浅層と中間・深層の間の結合関係は長年未解決の問題として残されてきた。近年脳スライス標本を用いた実験で、上丘浅層から中間層にいたるグルタミン酸作動性の信号伝達経路が存在すること、さらにその経路は通常はGABA_A受容体によって媒介される抑制性システムによって抑制されており、GABA_A受容体の拮抗薬であるbicucullineの投与によってその経路の信号伝達が顕著に促通を受けることが示されたがin vivoにおいてこの経路の伝達がどのようになっているかは明らかでなかった。そこで今回麻酔・非動化したラットで一側の視神経を電気刺激し、反対側の上丘で深さを変えてフィールド電位の記録を行った。その結果、何も操作をしない状況では浅層においてのみ潜時の短い(10ミリ秒以内)陰性波が記録されたが、中間層にbicucullineを注入すると長時間持続する(100ミリ秒以上)陰性波が中間層において誘発された。この持続時間の長い陰性波は上丘と同じ側の大脳皮質を吸引除去しても残ったので、大脳皮質を経由するものではなく、上丘浅層から直接伝達さえたものと考えられた。これらの結果からin vivo個体標本においても上丘浅層から中間・深層にいたる視覚伝導路の存在が確認された。
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