研究課題/領域番号 |
12878174
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 光化学診断 / 光化学治療 / 光化学反応 / 光ファイバ / カテーテル / ポルフィリン / レーザー / 活性酸素 / Pdポルフィリン / 燐光 / 酸素センサ |
研究概要 |
ファイバ導光路にレーザー光を導光し、その先端部で光化学反応に基づく活性酸素産生、蛍光・燐光放射を起こさせ、局所的に治療・診断効果を上げる2種類の細径カテーテル・レーザーアプリケータを開発した。(1)単一の導光ファイバと複数受光ファイバを同心状に配置した光学系(直径3mm)を有し、Nd : YAGレーザー第2高調波(Nd : YAG-SHG、波長532nm、パルス半値幅6nsec、周波数10Hz)を導光し励起光を対象に照射し、放射蛍光を受光するもので光化学診断・治療(Photodynamic Diagnosis&Therapy : PDD&PDT)に供した。腫瘍親和性をもつ光感受性物質Zn coproporphyrinIIIを肺小細胞癌MS-1に投与し、癌細胞に蓄積した時点でNd : YAG-SHGで励起すると癌細胞に蓄積した光感受性物質から578nmの蛍光が放射され、レーザー照射を継続すると活性酸素の産生により細胞死が誘導された。他の1つは、(2)光ファイバ先端に光感受性物質をドープしたシリコン系ポリマーをUV接合してセンシング素子とする分子・イオンセンサである。導光ファイバと受光ファイバは同一のもの(直径1mm)であり、手元で分岐され励起光源と高感度光検出器に結合している。生体組織中の酸素分圧を計測するためにPdポルフィリンを酸素透過性の高いポリマーにドープした光ファイバセンサを開発した。Nd : YAG-SHGで励起するとPdポルフィリンから波長620nmの燐光が放射されるが、Pdポルフィリンに酸素分子が結合すると燐光の消光分子として働き、燐光強度は小さく、燐光寿命は短くなる。燐光減衰波形(Stern-Volmerの式)をPCプロセッサに取り込み波形解析し、燐光寿命から酸素分圧を求めることができる。ファイバカテーテル型酸素センサをラットの動静脈に挿入して酸素分圧を計測したところ、高精度、短時間応答で本センサの有効性が示された。
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