研究概要 |
目的:地下深部に賦存する未利用資源・エネルギーの有効利用のためには,如何に安全に,かつコストを抑えて賦存地点まで到達し,効率的に開発するかが重要なポイントになり,そのための新たな地殻マシーニング技術の開発が望まれている.「ジオメカトロニクス」は,岩盤・地盤工学,機械工学,電子工学を融合させた,本研究で提案する新たな造語であり,本研究では「ジオメカトロニクス」の学問体系の基礎を構築する要素を調査するとともに,次世代地殻マシーニング技術の確立に必要な要素技術および課題を洗い出し,共同研究へ発展させるための調査研究を行うことを目的とする. 研究結果: ・第1回現地研究会を,住友大阪セメント(株)唐沢鉱業所にて開催し,重機の稼動状況を調査するとともに,自動化クローラドリルによる自動削孔の様子を見学し,今後の自動化技術に関して聞き取り調査を実施した.また重機のロボット化への問題点を全員で検討し,作業環境の認識技術および土砂・岩盤の原位置物性値計測技術が,次世代地殻マシーニング技術に必要不可欠であることを確認した. ・第2回現地研究会を地下資源開発現場である豊羽鉱山(札幌市)で開催し,地下の作業現場に導入されている重機の稼動状態を調査した.本現場の岩盤温度は100度以上あることから,高温岩盤の掘削技術について全員で検討を行った. ・第3回現地研究会を雲仙普賢岳普及作業現場で開催し,無人化重機による作業状況を調査した.オペレータの方からの聞き取り調査により,遠隔操作は必ずしも十分に作業員の負担軽減にはなっていないこと,また知能化ロボットの期待が大きいことを確認した. ・第4回研究会を東京で開催し,今までの検討結果を総括するとともに,共同研究に発展させるための検討を行った.
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