研究分担者 |
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 教授 (50127213)
白木 琢磨 京都大学, 情報学研究科, 助手 (10311747)
松村 潔 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (10157349)
川岸 郁郎 名古屋大学, 院理, 助教授 (80234037)
富永 真琴 筑波大学, 医学部, 講師 (90260041)
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研究概要 |
皮膚を冷却すると、冷受容器は冷線維に向心性のインパルスを発し、それが脳に届くと冷感が生じると考えられる。生理学では、冷受容器は温度を発火頻度(暗号)に変換するセンサー、脳は暗号を解読して皮膚温を検出すると捉えてきた。しかし、発火頻度は、温度変化に対し、閾応答、過渡応答を示すので、温度と頻度に1対1の関係はない。そこで、温度受容器をセンサーだとは考えにくい。これに対し、冷受容器それ自身が、皮膚温が閾より高いかどうかを比較し、高い時にインパルス(駆動信号)発するサーモスタットだと代表者は提案している。そのインパルスが,産熱効果器を駆動すれば,他の中枢なしに,温度調節が可能となる。 温度受容器をサーモスタットとするこの新しい概念の妥当性を検討するため,哺乳類,無脊椎動物,単細胞生物の研究者が集まり、生物種ごとのサーモスタットについての研究会を開催した(京都大学、2000年7月7日)。そこでは、サーモスタットの重要性,特徴,実体,遺伝子,さらにサーモスタットが駆動する自律性・行動性効果器などの問題点を議論した。
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