研究課題/領域番号 |
12F02040
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北川 進 京都大学, 物質―細胞統合システム拠点, 教授
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研究分担者 |
SUMIDA Kenji 京都大学, 外国人特別研究員
SUMIDA Kenji 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 多孔性金属錯体 / メソ構造 / 分子センサー |
研究概要 |
(1)PCPメソ造の合成 PCPのさらなる機能化を実現する一つの手段として、PCPの形態を制御することが考えられる(下記、文献1参照)。今研究では、以前使用した酸化アルミニウム以外のエアロゲルからのPCPメソ構造合成を夕ーゲットとした実験を行い、得られたPCP構造の多孔性や柔軟性を検討した。具体的には、マクロ孔を有する水酸化銅(II)・有機ポリマーの複合体によるエアロゲルを用い、Cu(bdc)(bpy) 0.5のモノリス構造の合成に成功した。このPCPは粉末状態でゲスト分子の吸着による柔軟性を示す材料であり、モノリス化した場合もメタノール分子の吸脱着による構造変化が起こることが分かった。この構造は、PCP由来のミクロ孔の他にマクロ孔やメソ孔も存在するため、PCPの吸着特性、及び柔軟性が粉末の場合と異なる点も確認されている。さらに、バイオミネラルとして知られる炭酸カルシウムをマクロ構造への変換テンプレートとしての利用も検討した。ここでは、マクロ孔を有する鶏卵やウニの殻やサンゴを用い、カルシウムPCPのマクロ構造を合成することができた。また、これらのテンプレートは様々な有機配位子と反応し、5種類のPCP(新規のPCP2種類含む)からなるマクロ構造の合成に成功した。 (2)多孔性金属錯体を用いたハイブリッド分子センサーの作成 多孔性金属錯体(PCP)を水晶発振子マイクロバランス(QCM)と組み合わせることにより、分子の吸着量やその吸脱着の速度、並びに分子認識を可能とするハイブリッド(PCP/QCM)分子センサーの作成が期待されている。今研究では、PCP結晶の成長方向の制御による吸脱着特性の変化、センサーとしての機能向上をターゲットとした実験を行った。ここでは、CID-5と称されるPCPのレイヤー間の方向を基盤に対して垂直方向に結晶を成長させることにより、同軸が並行方向の場合に対して吸着が早くなることが分かった。同時に、このPCPの特徴としてメタノールは吸着されるがヘキサンは細孔に含まれないことから、選択的なセンサーとしての機能も具体的に評価した。(下記、文献2参照)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コーディネーションレプリアーション法による合成を昨年度に比べ汎用化することに成功し、柔軟性を示すマクロ構造を合成する事もできた。炭酸カルシウムから複数のPCPが合成でき、バイオミネラルをテンプレートとして用いることも可能となった。また、結晶成長方向を制御したPCP/QCMのハイブリッドシステムの合成に成功し、その吸脱着特性の評価も実施した。これらの実験が成功したことで、順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Cu(bdc)(bpy)0.5、及びカルシウムPCPからなるマクロ構造の吸着特性を評価している段階である。これらの実験が終了次第、それぞれ結果を論文として発表する予定である。
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