研究課題/領域番号 |
12F02057
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
種村 眞幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授
|
研究分担者 |
GHOSH Pradip 名古屋工業大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
GHOSH Pradip 名古屋工業大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 透明電極 / フレキシブル / イオン照射 / カーボンナノチューブ |
研究概要 |
携帯電話、薄型テレビに代表されるように、透明電極は我々の生活には不可欠の存在である。現状では、透明導電膜と言えばIndium Tin Oxide (ITO)膜である。しかしながらこのITO膜は、フレキシブル基板上ではクラック等が入ってしまうためその性能を維持することができない。また、ITO膜は希少金属(インジウム)を含むことから、代替となる、希少金属を含まない透明導電膜(透明電極)の開発は焦眉の急である。本研究は、ナノ構造を有する透明フレキシブル基板上にカーボンナノチューブ(CNT)等を規則的に配列させることで、透明性と良導性を併せ持つ新たな透明電極の開発を目的としている。本年度の具体的成果は以下の通りである。 ナノ周期構造の作製 : 前年度の知見を基に、ガラス等の種々の基板上にナフィオンを塗布しイオン照射を行うことで、ナフィオンに形成されたwrinkle(さざ波状)構造群の基板への転写が可能であった。wrinkle構造群が転写された基板では、可視光全域で90%以上の高い透過率を呈した。尚、100ミクロン程度の厚みのものを用いればガラス基板も十分な可擁性を有し、フレキシブル基板としても利用できる。 ナノカーボンの配列制御 : Spray Coating法とDip Coating法を用い単層CNTをwrinkle構造の溝に沿って整列させることを試みた。何れの方法でも、単層CNTの分散液を得るために、1,2-dichloroethane (DCE)に適量混合し、数時間の超音波による分散の後、12000回転の超遠心分離(1.5時間)により得られた上澄み液(単層CNTが十分分散した溶液)を用いた。導電性と80%以上の高い可視光透過率は達成できたが、規則的な配列制御は困難であった。そこで、新たな手法として、wrinkle構造に非晶質の炭素膜を堆積し、触媒金属微粒子を用いて、固相反応によるwrinkle構造に沿ったナノカーボンの直接形成を試みた。ラマン分光分析の結果、結晶性ナノカーボンの形成が確認された。この手法を用いることで、ナノカーボンの配列制御に新たな道を拓くことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の手法にとらわれず、新たな手法を提案することで、ナノカーボンンお配列制御に新たな道を拓くことができたことから。
|
今後の研究の推進方策 |
固相反応を用いた新たな配列制御手法について更に検討を加え、合成パラメータを制御することで、ナノカーボンが配列制御した透明フレキシブル電極の完成を目指す。
|