研究課題/領域番号 |
12F02074
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授
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研究分担者 |
POONJARERNSILP Chantamanee 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
POONJARERNSILP Chantamanee 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ナノ材料 / バイオデイーゼル / 触媒 / カーボン / バイオ燃料 / カーボンナノホーン / アーク放電 |
研究概要 |
本研究は、ガス導入水中アーク法を用いて炭素と金属の複合材料を合成し、バイオディーゼル合成触媒合成触媒として使用できる触媒能力を付加することである。この研究は近年特に注目されているエネルギー問題に対応するものであり、化石燃料の使用を減少させるために貢献するものである。 平成25年度は、Feナノ粒子分散カーボンナノホーンをガス導入水中アーク法によって合成し、その表面をスルポ化することより固体酸触媒とする実験を行った。結果として成功し、生成物の酸点の密度が極めて高い値になった。触媒の性能を付加するための焼成温度やFeの含有量などの生成条件も最適化し、触媒活性をさらに高めるための条件を探索した。 バイオディーゼルを合成するためには遊離脂肪酸をエステル化する反応と、油脂(トリグリセリド)をエステル交換反応によって脂肪酸メチルエステルに変換する反応が必要である。バイオディーゼル合成実験を遊離脂肪酸(パルミチン酸)を用いて行ったところ、本研究で合成した触媒は特に遊離脂肪酸のエステル化を促進する効果が高いことが分かった。油脂のエステル交換反応についても実験を行ったが、遊離脂肪酸のエステル化反応と犀鞍すると低い反応性となった。油脂の分子量を変えてエステル交換反応をすると、反応性が比較的高い分子量が存在することがわかった。油脂と遊離脂肪酸を同時にバイオディーゼルに変換する実験も行った。結果として、遊離脂肪酸との反応がまず選択的に進み、その後に油脂のエステル交換反応が起こることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
性能の良い触媒を合成することに成功した。成果は日本経済新聞に4月22日に報道された。焼成温度やFe含有量など重要な因子の最適化ができた。また、合成した触媒を使用したときの遊離脂肪酸のエステル化と油脂のエステル交換反応の速度の違いや分子量の影響などがわかり、今後の研究の進め方の方針を立てるために必要な情報が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今まではFeのみの組成をもつ金属ナノ粒子分散カーボンナノホーンを合成して触媒を作製した。しかしながら、Feのみでなく他の金属種を使用すればさらに高い触媒性能を得られる可能性がある。また、合成する触媒が実用化されるためには、遊離脂肪酸のエステル化だけ触媒活性が高いのでは不十分で、油脂のエステル交換反応に対する触媒活性も高い必要がある。これらの検討を数年かけて進める必要がある。
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