研究課題/領域番号 |
12F02082
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
筒井 和義 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授
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研究分担者 |
SON You Lee 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 外国人特別研究員
SON YouLee 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生殖 / 脳ホルモン / GnIH / 発現制御機構 / 時計遺伝子 / メラトニン / GnIHニューロン細胞 |
研究概要 |
従来の研究により、時計遺伝子やメラトニンが動物の生理状態や行動のリズムを制御することは分かっているが、その分子機構は不明である。本研究は、動物の生殖を制御する重要な新規脳ホルモンであるGnIH (gonadotropin-inhibitory hormlone)に着目して「時計遺伝子とメラトニンによるGnIH遺伝子の発現制御機構」を目的として研究を実施した。 1)時計遺伝子によるGnIH発現の制御機構 1-1)時計遺伝子の一つであるCry1/2の欠損マウス(Cry-nullマウス)でのGnIHの発現が正常マウスと比べて昼の時間帯に著しく増加することを明らかにした。1-2) GnIHニューロンには様々な時計遺伝子が発現していることをラット視床下部由来の細胞株(GnIHニューロン細胞株、rHypoE-23)を用い確認した。1-3) GnIH遺伝子上流に複数存在する時計遺伝子の作用部位であるE-box配列の機能をプロモーターアッセイにより調べた結果、時計遺伝子によるGnIH発現変動は直接E-boxを介した制御機構ではないことが分かった。1-4)体内時計の働きを制御する視交叉上核(SCN)から分泌される血管作動性腸管ペプチド(VIP)の受容体がGnIHニューロンに発現していることを明らかにし、VIPはGnIHニューロン細胞内でcAMP系のシグナルカスケードを活性化させることを明らかにした。 2)メラトニンによるGnIH発現の制御機構 2-1)メラトニン合成能のあるC3Hマウスではメラトニン合成能のないC57BLマウスに比較してGnIHの発現が著しく高いことを明らかにした。2-2) rHypoE-23細胞株にはメラトニン受容体が存在することを明らかにした。2-3)メラトニン受容体のシグナルカスケードの解析するためにrHypoE-23細胞株を用いレポーターアッセイ(CRE, sRE, NFAT-RE)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
GnIH細胞株培養系とGnIHプロモーターアッセイ系を立ち上げ、Cry-nullマウスとメラトニン合成能のあるC3HマウスでのGnIH発現増加に関する制御機構を分子レベルで解析した。E-boxを介した直接制御の可能性、GnIH細胞内のVIPやメラトニンのシグナルカスケードの解析、VIPやメラトニンの処理によるGnIH発現リズムの変動を調べるなど色んな観点からの解析を行うことにより、GnIH発現の分子制御機構に重要な新知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はGnIH細胞培養系とGnIHプロモーターアッセイ系を用い、分子レベルでの「時計遺伝子とメラトニンによるGnIH発現の制御機構」を継続して解析する。GnIHニューロン細胞株に時計遺伝子のsiRNA処理や時計遺伝子のdominant negative mutantを過発現させ細胞内の時計システムを壊した後(Cry-nullマウスと同じ環境を細胞レベルで再現する)、それぞれの時計遺伝子(Cry1/2, Clock, Bmal1, Per1/2)の発現とGnIH遺伝子の発現及びプロモーター活性の変動を4時間ごとに24時間調べる。VIPとメラトニン処理によるGnIHの発現リズムの変動に関しても同様に調べる。
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