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糖鎖遺伝子改変マウスを用いたコア3型O-結合型糖鎖の生体内機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12F02220
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分外国
研究分野 腫瘍生物学
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

成松 久  独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖創薬技術研究センター, 招聘研究員

研究分担者 DONGNING Du  独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖創薬技術研究センター, 外国人特別研究員
DU Dongning  独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖医工学研究センター, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードO-結合型糖鎖 / レクチン / ノックアウトマウス / グライコプロテオミクス / 大腸癌細胞 / 肺癌
研究概要

ムチン型0-型糖鎖の一つであるコア3型糖鎖(GlcNAcβ1, βGalNAc-O-Ser/Thr)は、通常ムチンを産生する胃腸の細胞で発現が見られるが、一般に癌の悪性化により消失することが知られている。コア3型糖鎖を合成するβ3GnT6糖転移酵素の発現により癌細胞の転移能が抑制されるなど、コア3型糖鎖の生体内での機能は興味深いが依然不明のままである。本研究では糖鎖遺伝子B3gnt6欠損マウスを用いてβ3GnT6の生理的機能の解明を目指している。
まずコア3型糖鎖の生体機能の解明には、コア3型糖鎖がどのタンパク質上に結合しているかを知る必要がある。コア3型糖鎖を特異的に認識するプローブ(抗体など)が存在しないため、プローブとしてまずレクチンを探索した。ヒト大腸癌細胞LSCはコア1型糖鎖やコア2型糖鎖を発現せず、ムチン型0-結合型糖鎖としてTnやSTnなどの単純な構造を発現している。LSC細胞にβ3GnT6を発現する安定株(LSC+β3GnT6)を作製し、コア3型糖鎖を発現するモデル細胞として用いレクチンアレイ解析を行った。その結果、レクチンXが有意に親株LSCと区別出来ることを見出した。またレクチンXで前処理後、レクチンYによりコア3型糖鎖を持つ糖タンパク質を捕集できることが確認された。レクチンYで捕集した糖ペプチドに対してショットガンプロテオーム分析を行った。さらに、Masoot検索により、2HexNAc修飾をもつ糖タンパク質をコア3型糖鎖キャリアータンパク質として同定した。上記の方法により、コア3型糖鎖のキャリアータンパク質の同定方法を確立できた。
また、肺癌でムチンの産生と癌化の関連が報告されているので、コア3型糖鎖の肺癌への影響を調べるためにβ3GnT6のmRNA発現量が異なる5種の肺腺癌細胞を培養し、遊走アッセイを行った。β3GnT6のmRNA発現量と細胞移動能には逆相関がみられ、肺癌細胞においてもコア3型糖鎖の癌転移能の抑制作用が示唆された。今後、確立された方法によってコア3型糖鎖のキャリア分子が同定されれば、糖鎖を介した癌の抑制の機構が明らかに出来ると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コア3型糖鎖のキャリア分子の同定方法を確立することを重要目標とし、大腸癌細胞LSCとLSC+β3GnT6細胞を用いたグライコプロテオーム解析によりコア3型糖鎖のキャリア分子の同定方法を確立できた。現在は、確立された同定方法を用い、肺癌細胞やマウスの大腸組織でのキャリア分子の同定を進めている。また、silRNAによるβ3GnT6のmRNA発現量の低下も確認しており、肺癌の悪性化とβ3GnT6およびコア3型糖鎖の関連解析も進めている。以上の進捗状況から、本研究はおおむね計画通りに進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

Lsc+β3GnT6細胞で確立した方法を用い、肺癌細胞でもsiRNAによるClGalT1のノックダウン等により、レクチンによる捕集効率を上げ、コア3型糖鎖のキャリア分子の同定を進める。さらに、同定されたタンパク質の内、癌抑制や大腸の発生分化及び機能維持に関連の有る分子について、B3gnt6遺伝子欠損マウスを用いて生体内での発現・機能を解析する。また、コア3型糖鎖の生体内での発現量は微量であると考えられ、生理的な条件下でのキャリア分子の同定が困難である場合は、当研究室のClGalT1を腸でのみノックアウトする系を用いてコア3型糖鎖のキャリア分子を同定する予定である。

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Comparison of LecT-Hepa and FibroScan for assessment of liver fibrosis in hepatitis B virus infected patients with different ALT levels.2012

    • 著者名/発表者名
      DU Dongning
    • 雑誌名

      Clin Chim Acta

      巻: 413 号: 21-22 ページ: 21-22

    • DOI

      10.1016/j.cca.2012.07.005

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] コア3型糖鎖キャリアータンパク質の同定2014

    • 著者名/発表者名
      杜東寧、安形滑彦、久野敦、冨岡あづさ、藤田弥佳、梶裕之、成松久
    • 学会等名
      日本プロテオーム学会
    • 発表場所
      茨城県つくば市国際会議場
    • 年月日
      2014-07-17
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Development of a rapid and simple glycan based immunoassay toward "on-site" estimation of liver fibrosis progression2012

    • 著者名/発表者名
      久野敦
    • 学会等名
      GlycoT2012
    • 発表場所
      Hannover, Germany(招待講演)
    • 年月日
      2012-06-02
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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