研究課題/領域番号 |
12F02728
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨谷 至 京都大学, 人文科学研究所, 教授
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研究分担者 |
STORM Kerstin 京都大学, 人文科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 判 / 元? / 犯罪 |
研究概要 |
本研究は、受入研究者が目下、国際共同研究として進めている「東アジアにおける犯罪と社会」の一環として位置づける。研究の具体的内容は、(1)「絶対悪と相対悪の歴史的考察、(2)「官僚制度と犯罪」、(3)「宗教と犯罪」(4)「性差と犯罪」(5)「犯罪の比較地域史的研究」の五つの研究領域を設定し、それを東アジア世界における時代と地域を座標軸にする座標平面で考察することである。「中国中世における文学と犯罪」との課題をかかげる本研究は、上記の五領域にすべてかかわる。つまり文学作品、散文・詩・さらに文章表現のなかで「罪」「犯罪」をどのように表現し、またテーマとして取り扱っているのかを解明する。罪には、CrimeとSinの二種がある。これは西洋社会では、明確に区別され、その用語は異なるが、中国においてはその区別はない。文学作品は、それを区別し作品のテーマとしていることがあり、また中国文学において、「正義」はどのようにその作品のなかで位置づけられているのか、逆に「悪」「罪悪」 「違法」を文学は、いかに主題とするのか。こういったことを本研究で考えてみたい。また別に、研究分担者であるKerstin Stormは唐代の「判」をテーマとして特別研究員に採用されている。「判」は、唐人の法観念を伺う重要な資料として注目されているが、分担者とともに、いまこの資料を分析し、また注釈をつけることで、「東アジアにおける犯罪と社会」の研究の一端とする。以上の目的でとりくんだ本年度の研究実績として、冨谷は2012年9月3日から5日にかけてドイツミュンスター大学で国際シンポジウムを主催し、そこにStomも参加し、研究発表を行い、またその後、報告書の編輯に取り組んだ。Stormの発表は、唐元〓の錯字判に関するもので、ここでは、唐律と罪の処断に関する問題を明確に論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
kerstin Stormは2012年7月に来日し、JSPS外国人特別研究員として、精力的に研究活動を行い、上記の如く、ドイツでのシンポジウムに参加し、またその後、論文の執筆にも励んだ。具体的には、レトリックについては、重要な政治家元積(779-831)によって書かれた判詞に焦点を当て、法律がこれらの文章に大きな役割を果たしたことを示すことができた。ドイツでは、2012年9月3日からの国際のシンポジウムを参加し、論文"Decisions on Crimes in the pan of Yuan Zhen(779-831)";Public Notion of Crime and Law in East Asia研究報告(京都:2012)をその後発表した。
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今後の研究の推進方策 |
単年度であり、また1月に研究員を辞退した故、今後の研究は、ドイツでおこなう。それは引き続き、唐代の判牘の注釈である。
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