研究課題
特別研究員奨励費
惑星紫外分光観測衛星「ひさき」衛星が中心となった、木星観測国際協調観測が2014年1月に実施された。この協調観測では、「ひさき」衛星、ハッブルを用いて、木星オーロラと磁気圏プラズマガスを紫外線で連続監視した。本研究はひさきの極端紫外分光観測から、木星極域のオーロラ電子加速による放射エネルギーを抽出した。その結果、太陽風が極端に静穏な時期に、定常放射と同等以上のエネルギーの過渡的オーロラ増光が発見された。昨年度までに行ってきた、本研究の電波観測でえられたMeV帯の加速特性と合わせると、keV-MeV帯に至る階層の電子加速が自転駆動である事が示唆される。これらの結果は、米国地球物理学会等の複数の国際会議において招待講演で発表され、米国地球物理学会誌に受理された。また、受理された論文は、JAXA、米国地球物理学会、ランカスター大学の合同プレスリリースとして発表された。X線観測では、チャンドラX線望遠鏡-XMMニュートン-「ひさき」の協調観測提案が2014年4月に実施された。極域のMeVイオン加速に伴うX線オーロラの日変動を調査した結果、紫外線や電波領域の電子加速関連オーロラと異なり、太陽風の速度に相関のある成分が初めて検出された。また、極域のX線オーロラの空間分布を、木星磁場モデルを用いて磁気圏へマッピングした結果、X線オーロラの放射源を貫く磁力線は、木星磁気圏の外縁部の特定領域にのみ接続している事が判明した。これらの結果は、MeVイオン加速が磁気圏の外縁部分に接続する磁力線沿いでのみ発生しており、太陽風と磁気圏の相互作用に起因する磁気圏活動(ケルビン−ヘルムホルツ不安定性や磁気圏界面磁気再結合など)と関連していることを示唆する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 4件) 備考 (5件)
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