配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究実績の概要 |
本年度は一般相対論および修正重力理論における多体系ダイナミクスの理解のため,主に次の研究を行った. 1.Non-dynamical Chern-Simons重力理論における天体の自転の効果を調べた.特に,地上での Sagnac 効果を用いた光干渉実験を想定し,一般相対論では予言されない新たな光干渉効果について,干渉計の設置緯度や高度,および干渉計の方向による影響を調べ,それらについて干渉効果の時間変動を得た[D.Kikuchi, N. Omoto, K.Yamada, & H. Asada, Phys. Rev. D 90, 064036 (2014)]. 2.任意の質量における一般相対論的三体問題に対する三角平衡解の導出[T. Ichita, K. Yamada, & H. Asada, Phys. Rev. D 83, 084026 (2011); K. Yamada & H. Asada, Phys. Rev. D 86, 124029 (2012)] を受けて,この平衡解の線形安定性を調べた.結果として,適切な質量比を持つ場合に解が安定であることを示し,質量比に対する安定性の条件を導出した.この結果は,現在査読付きの学術誌に投稿中である. 3.一般相対論における球対称静的時空(Schwarzschild 時空)の周りを円運動する粒子は,Newton 重力の場合と異なり,安定な軌道半径に下限がある事実を拡張し,一般相対論だけでなく様々な重力理論における任意の球対称静的時空の周りを円運動する粒子について,安定な軌道半径の下限および上限を調べた.結果として,任意の球対称静的時空に関して臨界安定円軌道となる必要十分条件を導出し,その軌道半径を様々な具体例に対して導出した.また,Sturm の定理を用いることがそのような軌道半径の導出に有用であることを示した.この結果は,現在査読付きの学術誌に投稿中である. 1.は菊池大貴氏,大本直哉氏および浅田秀樹氏,2,は土屋拓也氏と浅田秀樹氏,3.は大野俊明氏,鈴木聡人氏,伏見直将氏および浅田秀樹氏との共同研究である.
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