研究課題
特別研究員奨励費
今年度の前半では前年度に開発したGaと水蒸気を反応させてGa2Oガスを生成する原料ガス供給法を用いたGaN結晶成長法に取り組んだ。前年度はGaN結晶の成長に成功したが、成長速度が24 um/hと成長速度の増加が必要であった。原因はGa2Oガスの供給量が不十分なためであった。その理由は原料部でのGaと水蒸気の反応効率が悪いためであると考えられた。Gaの表面積を6倍に増加させたところ、5%程度だった水蒸気の反応効率が23%まで向上し、Ga2Oガスの生成量の増加に成功した。また、Ga2Oガスの供給量の増加とともに成長速度が増加し、104 um/hの成長速度を達成した。以上の成果を国際会議及び論文として発表した。今年度の後半にはGaN結晶のさらなる高速成長に取り組んだ。高速成長時に基板上で多結晶が発生していたが、原因はマイグレーションが不十分であると考えられた。これまで行っていた有極性c面上への成長と比べて無極性面成長ではマイグレーションの促進が期待できる。c面では40 um/h以上において多結晶が発生したが、無極性面上では成長速度200 um/hにおいても多結晶の発生が抑制された。ところで、c面と比べて無極性面は大面積な種基板が存在せず、バルク結晶の成長にはc面の高速成長が重要である。そこで、マイグレーションの促進が期待できる高温成長によりc面の高速成長に取り組んだ。これまでは成長温度は最高でも1200oCであり、最大の成長速度は180 um/hであった。本研究で1200oCを超える温度で成長を行ったところ、高温ほど平坦な結晶が高速成長した。1350oCにおいて成長速度300 um/hで成長した結晶のX線ロッキングカーブ半値幅は76 arcsecであり、種基板の結晶性を引き継いだGaN結晶が得られた。また、無極性面成長での成果をまとめて論文として発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: 54 号: 5 ページ: 051001-051001
10.7567/jjap.54.051001
巻: 未定
巻: 52 号: 2R ページ: 0255031-3
10.7567/jjap.52.025503