研究概要 |
本年度は、年次計画に従い、児童期にアタッチメント対象に対する対人認知(研究3)、児童期におけるアタッチメント対象との対人行動(研究4)、および、児童期におけるアタッチメントの形成・促進プロセス(研究5)を中心に実行した。 研究3の目的は、児童がアタッチメント対象をどのように認知しているのかを検討することであった。研究4の目的は、自由記述調査を基に対人行動に関する尺度を作成し、アタッチメント対象との間でどのような対人相互作用を行っているのかを検討することであった。そして、研究5では、アタッチメントの形成・促進プロセスに関する検討を行うことを目的とした。 研究3、研究4、研究5の結果から、"あたたかく", "親切な", "やさしい"と児童に認知されるような関わりこそが, アタッチメント形成に重要であり, "強く", "賢い", "大きい"と児童に認知されるような関わりはアタッチメント形成に重要でないことが示された。ここから, 従来のアタッチメント理論で言われてきたような, "強くて賢い"大人にアタッチメントを形成するのではなく, 温かく自分を迎え入れてくれるような人にアタッチメントが形成されることが明らかにされた。
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