研究課題/領域番号 |
12J01276
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 大 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 『河海抄』 / 四辻善成 / 二条良基 / 『源氏物語』古注釈書 / 『湖月抄』 / 『年中行事歌合』 / 『三源一覧』 / 河海抄 / 注釈書 / 享受史 / 源氏学 / 源氏物語 / 花鳥余情 |
研究概要 |
本年度も昨年度に引き続き、四辻善成『河海抄』を研究の中心的対象として扱い、現存諸本の基礎的調査、注釈が施される過程やその成立背景、後世への影響等について考察を進め、その成果として4本の学会発表と5本の論文投稿を行った。 現存諸本の基礎的調査としては、『河海抄』巻九を対象として、これまで行われてこなかった注記内容からの系統分類を施すとともに、増補改訂による注釈内容の変化とその特徴についても解明した。また、東北大学図書館蔵旧制第二高等学校旧蔵本について、基礎的調査を報告するとともに当該本の特徴を提示した。さらに、諸本の比較を踏まえた上で、注記に見られる『宇津保物語』引用の特徴についても指摘した。 成立背景に関しては、二条良基『年中行事歌合』との比較によって、『河海抄』編集に際しての二条良基文化圏との関係性を実証的に明らかにした。その結果、これまで『河海抄』が良基文化圏に影響を与えたとする従来説に対し、むしろ良基の多大なる影響下で『河海抄』が編集されていったことを指摘し、注釈書としての性格の再考を迫った。 後世への影響としては、北村季吟『湖月抄』における『河海抄』引用の実態を浮かび上がらせた。『湖月抄』は『河海抄』を使用しながら注記編集を行ったと考えられていたが、注記内容を精査すると実際はすべて先行注釈書の孫引きによるものであり、季吟は『河海抄』に直接当たっていなかったと結論付けた。この他にも、三条西実隆による『三源一覧』の基礎的調査を行った上で、実隆の初期源氏学の様相を詳らかにし、後世善成の源氏学がどのように扱われていったのかという問題の一端を解き明かした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(抄録なし)
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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