研究課題/領域番号 |
12J01336
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今西 泰赳 筑波大学, 生命環境系, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 自然免疫 / サイブリッド / 移植抗原 / がん |
研究概要 |
研究計画に基づき、新規ミトコンドリア機能の開拓、特に自然免疫系によってアロ由来ミトコンドリアがどのように認識されるか、どのような多型突然変異が免疫系に認識され、どのような細胞によって非自己排除へとつながるのかという詳細なメカニズムの解明を中心に研究を進めてきた。 先行研究で使用したNZBマウス由来のmtDNAをもつP29mtNZBはmtDNAにおける多型突然変異の箇所が多いため、免疫系認識に関与する変異部位の同定が困難であった。そこで、他の同種異系統マウスのmtDNAをもつ細胞のうちP29mtNZBと同様にB6マウスに移植した際に拒絶される可能性のあるものの探索を行った。その結果、老化促進マウス(SAMP)のmtDNAを有するサイブリッド(P29mtSAMP1)において、B6マウスに移植した際に腫瘍が拒絶されることが確認できた。さらに、このP29mtSAMP1はP29mtNZBと比べ変異部位が少なく、非自己拒絶の原因となる突然変異部位を特定しやすいと考えた。 よって、このP29mtSAMP1を用いて、免疫学的アプローチと、ミトコンドリア学的アプローチの双方向から自然免疫系によるアロ由来ミトコンドリア認識のメカニズム解明の研究を進めてきた。免疫学的アプローチでは、ミトコンドリア認識における責任細胞、責任受容体の同定、さらに、アロmtDNAを認識するモノクローナル抗体の作製と解析から詳細なメカニズムの解明を行なった。さらに、ミトコンドリア学的アプローチでは、作成したP29mtSAMP1サイブリッドを用いて、呼吸機能活性の測定、活性酸素(ROS)、乳酸、酸素消費量の測定などを行った。 今回は、サイブリッドの樹立およびその細胞が自然免疫系によって拒絶されることを確認することができた。今後は、より具体的にそのメカニズムと、自然免疫系による認識部位を同定していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規ミトコンドリア機能の開拓という研究目的のため、ミトコンドリアと免疫の関係を中心に研究を進めてきた。その結果、老化促進マウス(SAMP)のmtDNAを有するサイブリッド(P29mtSAMP1)を樹立することに成功し、さらに、その細胞においても自然免疫系による細胞排除のメカニズムが作用する事を発見した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さらにP29mtSAMP1の有する突然変異のうち、どの突然変異が自然免疫系による細胞排除のメカニズムの原因になるのかをより具体的に解明していく予定である。 また、この成果を論文としてまとめ投稿できるように準備を行う。
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